11~20
* 愛してるゲームで勝敗つくまで出れない部屋
「次で何部屋目だっけ?」
アズサに問う。多分彼女ならわかる。賢いから。
「11」
「え、まだそんだけ? 半分も終わってないじゃん」
「私は望と一緒にいれる時間が長くなって嬉しいけど?」
アズサの発言によって私の中で可愛いと嬉しいがごちゃまぜになった。
「望は違うの?」
「私も一緒にいれて嬉しい!」
アズサに勢いよく抱きついた。
「ちょっと痛いから優しくしてよ」
そうやってじゃれあいながら部屋に入ると〇〇部屋らしいお題が待っていた。
「愛してるゲーム?」
おや、アズサは知らないらしい。珍しいこともあるな。
「お互いに愛してる、て言い合うゲーム。照れた方の負け。簡単でしょ?」
「なんとなくわかった」
私は彼女に向き合うように立つ。
「じゃあ私からね。愛してる!」
初めはノーマルに。
「愛してる」
可愛いけど顔に出さないくらいできる。
「愛してるよ、アズサ」
名前をつけて。
「望、心の底から愛してる」
そうくるか。ならば。
「アズサのことだーいすき! 愛してる!」
彼女の手を取って上目遣いで。
だが反応なし。なかなか強い。
「望、私を愛してくれてありがとう。私も愛してるよ」
私の手をとり手首にキスするアズサ。
「そ、それはずるい!」
「私の勝ちね」
経験者が初心者に惨敗した。アズサは器用だから仕方ないと心中で言い訳する。
「さ、次の部屋に行こっか」
「うん」
次の部屋はどんな部屋だろうか。
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