第4話【犯人を見つける会】始動
次の日の日曜日は最近杉本と別れた波川君に話を聞くことにした。僕は彼と1年の時に同じクラスだったので、LINE通話で杉本の件を知っているか尋ねた。すると彼は小さな声で「ああ」とだけ言った。その後「あいつはいつか死ぬと思っていた」と意味深なことを言った。「どういう事?」と聞いても何も答えず通話を切られてしまった。
土屋さんも杉本と仲の良かった女子たちに聞き込みをしてくれた。
月曜日の欠席者は土曜日に比べてだいぶ減ったが、未だにクラスはしんとしていた。先生たちも気を使っているのか、授業中に誰かを当てたりせず、板書とプリントをするだけだった。最近は担任が事情聴取で副担任が朝と帰りのHRをしている。今日の帰りは土屋さんと杉本の家に行った。2人でお線香をあげに行ったのだ。遺影の彼女はいつも通り少し恥ずかしそうに笑っていた。杉本の家から出て、すぐ近くのファミレスに行き情報交換をした。話しているうちに土屋さんは波川が犯人ではないかと言った。僕も波川が怪しいと思っていたので明日から波川を観察することにした。
1週間程彼を観察したが、休み時間は基本自分の机で本を読んでいた。帰りのHRが終わったらすぐに帰ってしまうので下校時は観察できていなかったが、学校では自然だった。
僕たちはもう1人、目をつけているひとがいた。それは担任だ。未だに担任は事情聴取を受けているし、何より杉本が亡くなったとされている日、彼は体調不良で学校を休んでいたのだ。僕が波川を観察している間土屋さんは担任を尾行し、どこに住んでいて、普段どういう生活をしているのか調べた。
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