現代の魔法使い

ポワワ

プロローグ

 「人はあるべき姿へと戻らなければならない。魔法などという不明瞭で不安定なオカルトに頼るのではなく、明確で安定した確実性のあるをもって発展していくのです」

 全世界にその放送が流されると同時に、各地で銃声が鳴り響いた。

 町が燃え、爆発し、壊れていく。

 各地では国家所属の魔術師が防御魔法を使ってはいるものの戦車の砲撃によって壊されるのは時間の問題だ。

 

 

 「早く来い!!死にたいのか!!!」

 見知らぬ人に引っ張られて俺は戦火の中を駆け回っていた。

 下にはいくつもの死体が転がり、中には見慣れた顔もちらほら。死んだ顔はどこか虚ろで人形の様に動かない。俺はそれに恐怖を覚えた。

 「ここに入れ!あとは俺達がうまくやるから」

 小さな穴の中に投げ入れられると高位魔法の障壁が何重にも外からされた。

 「ねぇ、おじさんも入ってよ!一人にしないで、一人になりたくない!!」

  必死の叫びも届いていないのかすぐさま去っていってしまった。

 数時間後、眩しい光と共に障壁の向こうにあった故郷エクシスは消え失せた。

 


 

 

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