感傷

未完成

1

人を攻撃しないと自己を確立できない人、

誰かを憎まないと生きる意味を持てない人、

この白黒の世界では誰一人として

何者にもなれなくて、

居場所もなくて寂しいのさ。

だから、道端に種を植えて、

ひとつひとつにジョウロと名前をつけて、

水をやってくれませんかと立て札をつけてみたい。

誰かが、その花を育てるために毎日水をあげて、

水をあげないと枯れてしまうと心配させて、

そうして道端で鮮やかな花がさかせたならば、

存在意義に取って代えられないだろうか。

小さなふつうの世界だけれど、

誰かの居場所を作れたならば。

2

10代の頃の未練が罅となって、

何もかも歪んで壊れていく我々は、

成仏できない幽霊と変わらない