むちゃぶり！からの異世界転生ライフ～最後の敵は王子の友～

越知鷹京

「ああ、また……」

私はため息をつきながら、本屋の棚に並ぶ新刊の一冊を手に取った。

表紙には、金髪碧眼の美少年と、銀髪桃眼の美少女が抱き合っている。

タイトルは「聖女と王子の恋愛物語」

作者は私の大好きな小説家、花澤（はなざわ）香姫（かい）さんだ。

「この人の小説はどれも面白いんだけど、なんでいつも同じような設定なんだろう……」私は本の裏表紙を読んだ。

内容は、異世界に召喚された聖女と王子が、様々な困難を乗り越えて結ばれるというものだった。私はこの手の話が大好きだが、花澤香姫さんの小説はどれも似たり寄ったりで、ちょっと飽きてきていた。

「まあ、買ってしまおうかな……」

◇　つづく...

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