美少女アンドロイドが色じかけをしてくるので困っています~思春期のセイなる苦悩は終わらない~

根上真気

第1話 ダンボール

「ジュースがない......。ああ〜めんどくせ。買いにいくか」


 俺は尻を掻きながらダラダラと玄関に行くと、のそのそとサンダルを履きドアを開けた。

 すると、高さ九十センチ程のダンボールの箱が目に入る。


「ん?置き配?母さん、なんか注文してたのかな?家電かなんかよくわからんが、やけにデカいな......」


 不思議に思いながらダンボールに貼られた伝票に目をやった。


「発送元......未来の俺?変な店名だな」


 よくわからないが、とりあえず母さんが帰ってくるまでは触らないでおこうと思った。

 俺はダンボールを背に玄関ポーチを抜けて入口に向かった。

 

 とその時。


 スボボッ!


 背後からダンボールを突き破る音が聞こえる。

 

「え?なに??」


 おそるおそる振り返ると......


「!!」


 びっくり仰天する。


「えっ??ひと??」


 なんと目に映ったのは、ダンボールから上半身を突き出した女の子の姿!

 空のように青い長髪と、透きとおるような透明感の肌。

 首から下には制服が見えるが、俺と同じ中学生なのだろうか。

 いやいや待て待てその前に......

 ダンボールの中身はこの女の子だった??


「あ、どうもこんにちは。私は田網祢絵子たあみねえこです」


 出しぬけに女の子が無表情で挨拶をした。


「!?」


 俺はギョッとしてなにも返せない。


「ん?貴方は井藤フミヒロ、十四歳。絶賛不登校中の荒ぶる中学ニ年生ですよね?」


 彼女の言葉に驚愕する。


「ええ!?なななんで俺のことを!?き、君はいったい......」


「とりあえずいったん中に入って話しませんか」


 彼女の声にはどこか微動だにしない断固とした響きがあり、俺は見ず知らずの怪しい女の子をあっさりと家に入れてしまった。



【イメージ画像】

https://kakuyomu.jp/users/nemon13/news/16817330663089713320

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る