罪深き田んぼの祟り

O.K

第1話:田んぼの祟り

ある町には、不気味な住宅街がありました。その住宅街は、静かで陰鬱な雰囲気が漂い、人々は避けるようにして通り過ぎるほどでした。住宅街の端には広大な田んぼが広がっており、そこには青々とした稲穂が揺れていました。


ある日、近くにある学生たちのグループが、その田んぼに勝手に侵入しました。彼らは暇つぶしのため、荒らし行為を楽しんでいました。稲を踏みつけ、畑を荒らし、自己満足に浸っていました。


しかし、彼らが田んぼを荒らし続けている最中、何かが起こりました。最初は微かな気配だったのですが、次第に不気味な現象が彼らを襲い始めました。異様に冷たい風が吹き、夜空には不気味な影が現れるようになりました。彼らは恐怖に怯えながらも、ただの偶然だと自分たちを納得させようとしました。


しかし、学生たちが夜の田んぼを通りかかると、突然稲穂が自ら揺れだしました。彼らは目を疑いましたが、稲穂が激しく揺れる様子を目の当たりにしました。驚愕のままで立ち尽くしていると、稲穂の中から異音が聞こえ、謎の声が響き渡りました。「お前たちの罪は重い。この田んぼに祟りをもたらした報いを受けるがいい」という言葉が、彼らの耳に届きました。


学生たちは恐怖に駆られ、すぐに逃げ出そうとしましたが、稲穂が彼らの足を縛りつけて動けなくさせました。田んぼの周りには謎の霧が立ち込め、道が見えなくなりました。彼らは絶望感に包まれ、何が起こっているのか理解できませんでした。


突然、彼らの周りに現れた人影が、不気味な笑みを浮かべながら近づいてきました。それは田んぼの守り神と言われる存在で、荒らし行為を犯した者たちに対して復讐をすると言われていました。彼らは祟られることを避けるために懺悔しましたが、それはすでに遅かったのです。


守り神は学生たちに対して、自分たちの行いの重さを突きつけ、罪に対する償いを迫りました。彼らは辛い試練を強いられ、身体が次第に異形の存在へと変わっていきました。恐怖に震えながら、学生たちは悲鳴を上げ、助けを求めましたが、誰も彼らを助けることはありませんでした。


最後に、田んぼの守り神は冷酷な声で言いました。「お前たちがこの田んぼに与えた傷は深い。永遠に苦しむがいい」。そして、学生たちは田んぼに取り込まれ、彼らの姿は消え去りました。彼らの存在は、町の中で完全に忘れ去られ、田んぼの祟りの話は、恐怖の伝説として口伝えされることとなったのです。


その住宅街では、それ以降も不気味な現象が続き、人々は夜になるとその田んぼからは遠ざかるようになりました。そして、町の人々は決してその田んぼを荒らすことはなくなりました。荒らした学生たちの呪いは、その住宅街に永遠に続くこととなり、人々の心に恐怖の種を残すこととなったのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る