17:~前編~開幕の事情。
5/31日。
あれから時が進んだ月末。
諸々の準備が終わり、三者三葉の公式チャンネルでの初配信の日。
時刻は20時57分。夜が深まる時刻にて――。
[お!]
[お!]
[え!?]
[3人集合の待機画面!?]
[アニメーションの待機画面・・・だと・・・?]
[ぬるぬる動いてる!?]
[久方振りの配信だーっ!]
[待ってたぜ!!]
[かっけぇぇ]
[突然の配信! さぁ何が始まる!?]
[きちゃーっ]
[ワッフルワッフル]
[うぉぉぉ! ガチャ演出みたいにぬるぬる動くぞぉぉ!!]
[待機なう!]
[今夜の会合場所は此処ですか??]
告知は9分前の
更に2万人だったチャンネル登録者数も3万人に急増。タイムラグも踏まえるとまだまだ上がり、先の告知ツイートも爆発的に拡散されていた。
「電撃告知だったのに凄い盛り上がってます!」
「ああ。千や蛍の姐さんの言う通り告知なり宣伝なりをやっていくよか、いきなりやったるのが正解だったみたいだな。まぁ姐さんの言った通りでいきなりって所がオレ等らしいか。――てかかっけぇな。この待機画面」
「ですね! 最大手の大御所ライバー並のクオリティですよ!! 一体どこに頼んだんですか?」
「それはプライバシーですよって」
SNS・待機枠にて盛り上がる中、それの渦中にいる三者三葉の3人も盛り上がる。長い準備期間が功を奏したらしく千寿と満穂に緊張の毛色は一切合切見られない。琥珀は言わずもがな。
で、時刻は廻りて幕が上がる――。
[!]
[!]
[!!]
[!?]
[!?]
ON AIR――。
放送が開始され、待機画面が切り替わるなりコメント欄が困惑。
それはそうだろう。画面には古風なヤクザ映画に出てきそうな”鯰組”の紋所と、畳が敷かれた事務所背景。高級感がある洋風の椅子が3つに縦長のモニターが
端的にこの状況を説明するならば酷く不格好である。
満穂「『はい。迷える人々よ、こんばんわ。聖フェリス☥テレサ女子大学附属学院所属のシスターことシスター・エマです。そして――』」
千寿「『はいはい晩ぬら。妖怪の総大将ぬらりひょんこと鯰ですよって。そんでもって――』」
琥珀「『ようテメェ等。鯰会直系鈴鹿組組長鈴鹿だ。此度は志向を変えて奇想天外、奇天烈なシノギとしゃれこもうか? ――と』」
左廻りから順にいつもの自己紹介を済ませる。で、開幕早々此処からが一番の見せ所――。
琥珀「『開幕早々でやって良いんだっだっけか?』」
千寿「『どうぞどうぞ』」
満穂「『リスナーの皆様方。特に鯰会の組員の方々――御手を拝借』」
[え?]
[なに]
[ん?]
[お?]
[ま、まさか・・・?]
[なんぞ?]
コメント欄がどよめく中、仕切りに持っていた大剣を横に掲げる
琥珀「『よっと』」
気の抜けた掛け声と共に大剣が横に振られ、タイミング良くモニターの画面が割れる。
割られた画面の中からなんと――3D体の鈴鹿が現れた。
[!]
[ええええ!?]
[3D!!]
[マジか!?]
[GWの!!]
[おー!]
[え? てことは!!]
千寿「『画面外から失礼しますよっと』」
3D体の鈴鹿の登場によってコメント欄が賑う中、立て続けに3D体の
※3D椅子と同じ場所に本物の椅子がある。
礼儀正しいシスター・エマとは違い、鯰は前のめりの姿勢で太腿の間で手を組み、鈴鹿は荒々しく椅子の上で胡坐をかく。
座り方1つとっても3人の個性がそれぞれ出ていた。
千寿「『てなわけで3D体のお披露目ですよって』」
パチパチ、と手を叩く満穂。考え深い表情を浮かべながら同期である千寿に拍手の向きと視線を送る。
千寿「『なにかね?』」
満穂「『いやぁ……ようやく私の同期が! と』」
千寿「『んはは。大変お待たせしましたよって』」
満穂「『ホントですよ』」
[確かに!]
[感無量!!]
[おめでとう!!]
[シスターずっと総大将の3D化を願ってましたもんね!]
[おぉようやく]
[待たせやがって!!]
[お2人共滅茶苦茶クオリティーたけぇ]
[これで3Dコラボができますね!!]
琥珀「『お~滅茶苦茶喜ばれてんじゃん。流石は総大将様だな。御見それしたわ』」
満穂「『いやいや! 勿論鈴鹿組長さんもですよ! 寧ろメインは
千寿「『え? 酷くない? シスターのお言葉じゃない』」
[組長もおめでとうございます!]
[組長も! おめでとうございます!!]
[組長もっす!!]
[確かに! シスターの言う通りで待たせ過ぎですよ総大将!!]
[組長もおめでとうございますうううう]
[www]
[総大将涙目]
[これでシノギの幅が広がりますね!!]
[笑]
[そうかな? そうかも]
配信開始早々、2人の3D化に盛り上がる。気が付けば同接数は始まりの400人から既に1000人を突破していた。
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