ep.3 規則的な失踪
毎年、10人。
「そうなんです、毎年必ず10人なんです」
他に殺人事件などは起こっていたりはしませんか・・・?
「殺人事件は、約20年前の一件だけで、他にはありませんでした」
なるほど。では誘拐事件は?
「はい、それに関しても調べたんですが、誘拐の情報は一つもなくて・・・」
わかりました。今回のご依頼は、失踪の真実が調査の目的という事でしょうか?
「あ、いえ・・・。というよりは、とにかく誰かに聞いてほしくて・・・」
それは、ご家族やご友人にはお話しできないという事でしょうか?
「普通だったら親に話せば済む話なんですけど、何か変な感じがして」
変な感じ・・・?
「なんか、この町の人には聞いちゃいけないようなそんな気が。」
それは、誰かにお聞きした上での反応でそう思っているんですか?
それとも、感覚ですか?
「感覚です」
なるほど
「毎年必ず10人ずついなくなっていくんですよ。でもそれを事件として捜査するわけでもない、子どもの私たちには寄り道しないで帰れって言うだけで・・・。でも、変わらずに毎年10人ずついなくなっていくわけで・・・」
怖いですよね、では今回は、最終的な理想の目的として失踪の理由を明確にすること、そして10人という人数の意味。そこを調べていきたいと思います。
単なる犯人が捕まらない誘拐事件であり、警察が動いていないわけもない。
私は、依頼文と同じ概要しか聞いていないのに、そんな憶測を立ててしまっていた。
しかし、私の考えを180度ひっくり返すのは、全てその概要にあったのだ。
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