第11話 学校で女子に絡まれてると誤解される
「ねぇねぇ、これ、可愛くない?」
「そ、そうですね」
「今日の髪型どう思う? 廉くんの好みに合わせて結んでこなかったんだけど」
「な、何で僕の好みまで知ってるんですか…」
僕の好みは長髪で結んでいないのが好きなのだが、どこからその情報を知ったのだろうか。
それよりも高浜さんと学校に一緒に登校したのはまだいいのだが、高浜さんの常識と僕の常識はずいぶん違うらしい。教室に入ってからというもののずっと高浜さんが話しかけてくるので、クラスメイトに注目されてしまっている。
*
「滝山、もしかして…高浜さんと付き合ってる?」
お昼休み、突然クラスメイトの男子たちに呼ばれたと思ったら、まさかの質問だった。
「ど、どうしてそう思ったの?」
「だって、高浜さん、滝山にめちゃくちゃ喋りかけてるじゃん、他の男子とは一切話さないのに」
「そ、そうなの?」
「あぁ、高浜さんのファンクラブの人達も滝山以外の男子と話してるとこは見た事ないって言ってるし、入学式の日、高浜さんに告白されたろ」
「えっ! 何でそのことを!」
あの時、周りには誰もいなかったはずなのに…
というか、見てたんだったら、断ったの知ってるよね?
「それで、付き合ってるのか!?」
「付き合ってないよ」
「でも! 高浜さんに告白されたって…」
「何でそのことを知ってるのか知らないけど、そのことを知ってるんだったら、僕が断ったことも知ってるよね?」
「………こと………わっ………た………? そ、それは本当か!?」
「本当だよ。断った」
「じ、じゃあ、何で、高浜さんは滝山にあんなに話しかけるんだよ!」
「それは…」
正直、何でこんなに話しかけてくるのかと思ったが、『でも、真珠と系統は似てるからなぁ』と思ったら、高浜さんの行動に理解ができてしまった。
「ほ、本当に付き合ってないんだよな?」
「うん、高浜さんには悪いけど、断ったよ」
「良かった…良かった…」
うん? 急にどうしたんだ? 大丈夫かな?
「よし、お前ら、まだ、望みはある! これからも高浜さんのファンとして全力で応援するぞ!」
「「「おおおっっっ!」」」
まぁ、なぁなぁで付き合うよりは彼らみたいに全力で愛してくれる人の方が高浜さんもいいだろう。そんなことを思っていたが、その後も高浜さんは僕以外の男子と喋ることはなく、
また、やっぱり付き合ってるんじゃないかと噂が立った。
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