第1話 日高 瑠璃
3月下旬、僕は自立した。
とはいえ、一時的な自立なので、高校3年間が終われば家に戻らなければならない。
とりあえず、僕の家に行こう。
実家の最寄駅から電車を乗り換え30分、駅から徒歩10分、僕の借りたアパートに着いた。
実家からここまで1時間もないのだが、高校からは近いところが良かったため、どうしてもここが限界だった。実際、実家から学校に行くまでと借りたアパートまでかかる時間はほとんど変わらない。
「ここが僕の部屋か、見学に来たけどやっぱり気にならないな」
このアパートは、3年前にリフォームされ、1LK、風呂トイレ別で何と…
3万円です!
安い、安いなぁ、何でこんなに安いんだろう、何かあるのかなぁ?
はい、何かあります。
4年前にこのアパートの一室に住んでいた男の人のストーカー女がその男の人が結婚すると知り、それに絶望したストーカー女はその男の人を◯し、自分も自◯したらしい。
そう、事故物件だ。けど、心霊現象が起こるとかはないので、ほとんど気にする必要がないらしい。だからここに決めた。本当に大丈夫だよな?
「とりあえず、荷物は送られてるから、ご飯だな」
「調理器具もないから、今日はコンビニで済ますか」
アパートから徒歩3分のところにあるコンビニでお弁当などを買い、家に帰ったら荷解きしないとなぁ、と思っていたら…
「だから! 何度も言ってるじゃないですか! あなた達にはついて行きません!」
「いいじゃん、俺らと一緒に楽しいことしようぜ〜」
「すげぇ、ナンパだ。本当にあるんだ」
思わず感心してしまった。ナンパなんて空想のものだと思っていたから、現実では起きないものだと思っていた。
「とりあえず、彼女嫌がってるし、見てしまったからには助けないと」
あんまり揉めたくないが、なるべく事を大きくせずに終わらせたい。
「あの〜彼女嫌がってるみたいですし、そこらへんで諦めたらどうですか?」
「あぁん? 何だテメェ」
「ただの通りすがりの一般人です。ほら、彼女嫌がってますよ」
「嫌がってねぇよなぁ!」
ナンパ男が彼女の腕を引っ張る。
「キャッ!」
「ほら、どう考えても、彼女嫌がってますよ」
「チッ! うるせえなぁ、ちょっと痛い目見ねぇとわからねぇのか? お前ら、ちょっとコイツ痛めつけろ」
「了解っす」
「任せてくだせぇ、アニキ」
あーあ、喧嘩沙汰になっちゃったよ。取り巻きは1、2、3、4人か、大丈夫かなぁ、あんまり喧嘩したくないんだけど。
「わ、私はいいから、あなたは逃げてください」
弱々しい声で彼女が言う、彼女だって怖いはずだ、それなのに僕を逃がそうとしてくれるなんて、なんて優しいのだろう。これはなおさら逃げるわけがない。
「大丈夫だよ。安心して、君は絶対に助けるから」
「やれ!」
それと同時に取り巻きが襲いかかってくる。
僕は小さい頃から色々な習い事をしてきた。
勉強から芸術まで様々な習い事をしてきた。
その中に柔道、ボクシング、護身術がある。
だから基本的に襲われても刃物とかでなければ基本的に大丈夫なのだ。
取り巻きの1人が殴りかかって来るがが、全然遅い、簡単に避けれる。
次は蹴りか、これも遅いな。
「君たち、全然喧嘩した事ないでしょ」
「チッ! 舐めやがって!」
全然遅い、殴る、蹴ることしか考えてない、ちゃんと考えて攻撃しないと…
それぞれ別の場所を攻撃し、取り巻きの4人は倒れた。
こうなるから。
「嘘っ!」
「おい! お前ら! 嘘だろ!」
「ほら、もういいでしょ、諦めて帰りな」
「チッ! このままやられたままで終われるかよっ!」
ナンパ男が殴りかかってくる。さっきの取り巻き達とは違い、格闘経験がありそうだ。
「フッ! 怖えかぁ! 俺はなぁボクシングやっ」
腹パンを決め、気絶させる。
「そんなこと言う前に集中しろ、隙見せたら終わりなんだぞ」
やっぱりこうなってしまった。喧嘩はもうしたくなかったのに…
「あ、ありがとうございます」
「大丈夫だった?」
「はい、大丈夫です。あの…お名前聞いても…」
「僕? 僕は滝山 廉、八王子滝山の滝山に灰簾石の簾」
「? 八王子滝山?」
「東京にある、道の駅なんだけど…」
「へぇーそうなんですかぁ」
「君の名前は?」
「え、えっと、それじゃあ」
彼女がスマホを操作し始める。
「私は
「樹海ロード日高?」
「道の駅です。調べたら出てきました」
「そうなんですか。すみません、変な気使わせちゃって」
「いえ、助けてくれて本当にありがとうございました」
「じゃあ、気をつけて帰ってください」
こうして僕はコンビニを去った。ちなみにナンパ男達は置いてきた。
家に帰り、風呂に入り汗を流し、喧嘩したせいで形が崩れたコンビニ弁当を食べ、もう寝るかと思ったが、そういえばベランダあったなと思い出し、どんな夜景が見れるかと思い、ベランダに出てみた…
「「えっ!?」」
隣のベランダには日高瑠璃がいた。
「「ど、どうしてここに?」」
「僕は今日、引っ越してきたんだけど…」
「わ、私は昨日引っ越してきたばかりで…」
「そうなんだ。これからよろしく、隣人として」
「よ、よろしくお願いします」
そこでとりあえず、話は終わり、その日は寝た。
一方、隣の部屋では…
「廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に廉くんが隣に」
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