ここはクソゲー世界なのでは?
初めての赤ちゃんプレイから三年が経った。
いや、別にあれは赤ちゃんプレイじゃないけどな? 人間としての生存本能だけどな? ……ま、まぁ、取り敢えず、それはいいんだ。
今、問題なのは、俺は、闇かに、とか言う前世で最後にプレイしていたとんでもないクソゲー世界に転生してきたのでは? と言う疑問が湧いてきたことに大してだ。……そう、あくまでまだ疑問なんだ。
理由としては単純で、今のところゲームと一致しているのが名前しかない。……一応俺が金髪っていう共通点はあるけど、あのゲーム、親とか出てこなかったから、よく分からん。ただ俺が母親と同じ髪色なだけの可能性があるし。
リオン・パレス、これが今の俺の名前であり、あの忌々しいクソゲーの主人公の名前だった。……一応伯爵家なんだが、今はどうでもいい。
そんなことより、問題は俺の……と言うか、リオン・パレスの幼馴染ヒロイン枠の女の子だ。
その子とは、ちょうど、昨日出会った。マテス・ラナー、それがその子の名前だった。
ここまではゲームと完全一致だ。……ただ違う点があるとすれば、めちゃくちゃ可愛いんだ。……いや、可愛いと言っても、同じ三歳児だし、単純に子供を見るような感覚での話だ。俺は断じてロリコンでは無いからな。
いや、俺がロリコンかそうでないかなんかどうでも良くて、可愛い事が問題なんだよ。
一応、あのクソゲーはギャルゲーだった。ファンタジーありきの。
これを聞いたやつは、ギャルゲーなら可愛いのは当たり前なんじゃないか? と思うだろう。俺もそう思う。
ただ、あの忌々しいクソゲーは違った。ヒロインがとにかくブサイクなんだ。……ギャルゲーだぞ!? ヒロインがブサイクなんてありえないだろ!? その時点で、クソゲーすぎるんだよ!
何? そんなブサイクしか居ないんだったら、買わなかったら良かったって? バカが! そんなことを知ってたら、俺だってあんなゲーム買ってねぇよ! パッケージ詐欺だったんだよ! パッケージに写ってたヒロインはめちゃくちゃ可愛かったんだよクソが!
おかしいだろ!? パッケージであんな可愛い女の子たちを作れたんだったら、ゲーム本編でも、あんな可愛くていいだろうが! 最初はさ、描いてる絵師さんが違くて、パッケージみたいに描けないのかと思った。でも、あのゲームの非恋愛対象の裏ボス様だけは、めちゃくちゃ可愛かったんだよ! 一瞬で推しにしたよ!
もうさ! これ、あのゲームを買ったやつのことをバカにしてるとしか思えないよな!?
まぁ? ただ可愛くないだけだったら、まだ、本当にすこーしだけなら、許容できたんだ。……なのに、ただ可愛くないだけじゃなく、ヒロイン全員がイカレてるんだよ!
「すぅ、はぁ」
俺はこのままじゃ心の中であのクソゲーに対して無限に愚痴を言ってしまうと思って、深呼吸をした。
と、とにかく、問題は幼馴染ヒロインになる予定の子が可愛いことだ。
まぁ、三歳児だし、可愛くない方が難しいのかもしれないけど……あの見た目だったしなぁ……
「あ! いた! あのね! お父様がね、りおんくんとあしょんでこいって!」
俺が色々と考えていると、今まさに俺を悩ませる元凶の茶髪幼女、マテス・ラナーがそう言って、こっちに向かってきていた。
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