第4話 牢獄での会話

 俺は、コンディジオーネさんに泣きながら、話した。

 自分でもどうしてだがわからないけど、一言発するたびに、涙が流れてくる。


「俺・・・・、コンディジオーネさんも殺してしまうかもしれない・・・・。


スクイアットロ以外・・・・」


 目の前のことが信じられないでいた。


「私も死ぬと言いたいのか?


スクイアットロがどうして、一緒にいても生きているのか理解していない様子だな」


「・・・・。


スクイアットロから前に、大丈夫なのか聞いたけれど、説明がよくわからなかった」


「実は、私もスクイアットロも、すでに何かしらの呪いにかかっているんだ」


「え?」


 俺は、ここで涙が止まった。

 

 スクイアットロとコンディジオーネさんが何かしろの呪いにかかっている?

 そんな話を聞いたことがない。

 

 そもそも、スクイアットロの説明がよくわからないために、俺は理解しようということを今まで放置してきた。


「よくわからないのですが・・・・」


「スクイアットロから、しっかりと事情を聞いていなかったのか。


それも、彼らしいが、正直に言うと、迷っていたんだ。


彼に、君の護衛ができるかどうか。


その様子だと、身を守ることはできたとしても、精神面でのサポートはできていなかったようだな」


「だけど、呪いにかかったからって、俺といて生きていられることに関係があるんですか?」


「死に寄せは、人間には効果がある。


だが、それよりも強い魔力があったら?


協力な呪いを受けていれば?


そんなものは、弾かれるだけだ」


「要約すると、コンディジオーネさんも、スクイ8アットロも、俺と出会う前に何かしろの呪いにかかっていて、

それによって、他の呪いを受け付けないということですか?」


「簡単に話すとそうだ。


そして、君は全人類が滅亡すると思っていないか?」


「はい、そう思っています」


「それは、地球を壊せるくらいの隕石ぐらいの破壊力がない限りは、不可能だ」


「え?」


 俺が買い物行くだけでも、人が死んでいくっていうのに、それでも人類は滅びることがないって、そんなことがあるの?


「今までも、死に寄せの魔力を持つ者がいて、過去にいくつも殺人事件、自殺、事故死が起きた。


君が生まれて、人類が一瞬にして滅びたことがあるか?」


「ないです」


「人類を滅ぼすことなんて、基本的に不可能だ。


それに、人間でも呪いに耐性があったり、浄化ができる人もいる。


除霊師とか聞いたことないか?」


「あります」


「インチキな除霊師もいるが、本当に呪いの効力を消してくれることもある。


それに、巫女と呼ばれる者もいる。


それに、生き物は子孫をどこかしらで残すということが刻まれている。


今まで、戦争とかあっても、生き残ってこれた。


生物によっては、絶滅危惧種とかあったりするが、人類はどんな危険なことがあっても、生き残ってこれた」


 言われてみれば、どうしてだろう?

 地球が滅びる予言があっても、地球は滅びなかった。

 内乱があっても、避難できた人もいる。

 だけど、俺はこれで納得するわけがなかった。


 生き残る人がいても、誰かしらは死んでいるということ。


「犠牲になった人達は、どうなるんですか?」


「犠牲になった人達?」


「そうです。


本当に死んでしまった人もいるんです。


その人は、返ってこないんです。


生き返らないんです。


生き残る人がいたとしても、生き返る人はいないんです」


「申し訳ないのだが、生き返ることはない。


だが、世の中はこれで成り立っているところがある」


「どういうことですか?」


 俺は感情が高ぶりそうになるところを、なるべく平常心を保とうと意識しながら、聞いてみた。


 コンディジオーネさんはいい人だと思っていたのに、死を受け入れられるって言うの?

 

「悲しいことだけども、どんなに辛いことだとしても、肉体に魂がずっと宿っているなんてことはない。


不老不死なんて、あり得ない。


君はまだ若いから、考えられないかもしれない。


受け入れなくてはならないこともあったりする」


「コンディジオーネさんも、身近な人がある日、突然姿を消したら悲しくないんですか?」


「悲しいさ。


私も幼い頃は、両親が目の前で、動かなくなるってわかった時は、廃人のようになった。


児童養護施設にも、馴染むことができなかった。


だけど、私はこれも自分にとって必要なことと受け入れるしかなかった」


「俺には、親って存在がないです。


研究所を追い出されて、児童養護施設にもなじめなくて、幼稚園も逃げ出して、俺はそこに向かうつもりはないです。


だから、コンディジオーネさんとはわかり合えないかもしれません」


「わかり合えなくていいさ。


それに、君はこれから、どうしたいんだ?」


「え?」


「ここで、いつまでもうずくまるつもりか?


呪いを解く方法を見つけたいと思わないか?」


「それは、見つけたいです。


俺はこんな牢獄にいても、解決にならないと思っています。


だから、俺は二度とこんなことにならないために、探します。


死に寄せをなくして、平和に過ごせる方法を」


「なら、決まりだな」

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