第23話 学びの園
「お母様!」
そう言いながら、小走りにかけてくる少女。
「あら、そんなに走らないで。
足元を取られてしまいますよ!」
小走りな少女を慌てて止めようとするこちらの女性。
アカルヒメ様だ。
こちらの少女、彼女がセリ。
そして、お決まりな感じで足元の何かにつまづき、転びそうになる。
「あ!、、!」
そう、声と共に前に倒れる寸前に、彼女は誰かに支えられた。
アカルヒメ「はーっ!・・・」
ヒヤヒヤな様子だった母アカルヒメ様が胸を撫で下ろす。
「大丈夫ですか?」
倒れかけたセリの身体を支えている一人の男性。
セリ「あ、、ありがとうございます。。」
アカルヒメ「だから、走っては駄目と、、、
誠にありがとうございます。」
アカルヒメ様が助けた男性にお礼を言えば、男性は、
「いえ、お怪我がなくよかったです。」
そう、にっこりと微笑んで見せた。
セリは、体勢と乱れた身なりを整えると
もう一度お辞儀をし、母アカルヒメ様の元へ。
二人は、お礼を再び言うとその場を離れた。
アカルヒメ「貴女のお転婆な姿は・・・」
セリ「ごめんなさい。。」
アカルヒメ「無事で何よりでした。
それは、そうと。
ゆう様は?」
セリ「ゆう様は先生に呼ばれています。」
アカルヒメ「そうなのですね。。
一緒にと思っていたのですけど。。
お部屋で待ちましょうか?」
母からの言葉に思わず笑みが溢れる
セリ。
アカルヒメ様は、微笑みながら、
「あら、嬉しそうだこと。」
そう言いながら、二人は学びの部屋へと行きゆうの帰りを待つことに。
そんな母娘の姿に見惚れていたのが、
先程の男性だ。
さて・・・
また、一波乱ありそうな予感。
ひぼこ様の、娘セリに対する心配事は、尽きないのである。
ゆうと三人で帰宅すると、丁度ひぼこ様のお帰りでもあったようだ。
ひぼこ「おかえり。」
セリ「お父様!」
セリが嬉しそうに父に抱きつく。
ひぼこ「セリ、今日も無事に帰って来てくれたね。。」
この言葉にセリが黙ってしまう。
ひぼこ「どうしたんだい?」
アカルヒメ「転びかけましたの。
助けて頂き無事でした。。。」
ひぼこ「そうだったんだね。
無事で何よりだよ。
それで、助けて下さった方とは?」
ゆう「通りかかった方なようです。」
ひぼこ「そうだったんだね。。
さ、さ、とにかく、中へ入ろう。」
ゆうを招き入れ、皆で団らんをするのだった・・・
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