第22話 思わぬ成果!
バタバタと上靴のノイズが聴こえ「遅れました!申し訳ありません!」
二人の看護師が入室!しかし、検体は横になっている。
「おい君達、バタバタするんじゃないよ!」金田一の注意を受けて謝り倒していた。
約8時間後、院内通路に給食ワゴン稼動ノイズが蒸気機関車のようにシュボーと食事時間を促して通り過ぎて行った。
目覚めたと同時にその記憶が薄く残っていた。
尻沢エリカは眼を開けた。パチリと、流石タレントだけあって寝起きは良く、腰から上体を起こし暫く眼前のカプセル上蓋を眺めていたがハッ!と気がつき両腕を挙げてみた!それを眼で追う。左手の指をグー・チョキ・パーをしてみた。
「なんて事なの!」大声を張り上げた尻沢エリカは金田一に向かって叫んだ!
「い、いやそんな事を言われてもリハビリをしないと現状維持できませんよ尻沢さん。」
メドベッドがいくら実績があっても時代は変る。
変革して行く世界の病気や新種ウィルスは人間の最先端テクノロジーでも追いつけないのが現状。
その事を痛いほど理解している金田一医局部長ならではの咄嗟の弁明に呆気に獲られ暫くはは黙ったままだったが、「・・・違うの!野際さんを呼んで!」
「野際センセー! 尻沢エリカさんが呼んでます!早く起きてねー。」ヤケクソだった。
またクレームかと、思っていた。
「どうしました尻沢さん?」
エリカの顔面は高揚して赤鬼の様に引き攣り笑いをしていた。
刹那!「オメデトウございます。」
両腕を拡げハグの体勢に入ったが、慌てて腕を後ろに回した。
「いいのよ野際さん今まで我侭言ってごめんなさい。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます