第65話:水飴の研究
おはようございます。
いつも一番に目が覚めます。お子様だから?
ちなみに、隣にはリリスが寝ています。
2人部屋でベッドは2つあります。
それなのに、なぜか私のベッドに潜り込んできます。
甘えん坊なのかな?私よりも年上なのにね。
ちなみに、部屋割りは・・・
私とリリスの部屋。
リズとニニアさんの部屋。
シオンさんとベリーさんの部屋。
と言う組み合わせになっています。
顔を洗って着替えたら準備完了。
朝ご飯の時間まではまだあるので、
日課のお散歩に出かけます。
ついでに八百屋さんによってお芋を仕入れます。
それとラディッシュも。水飴の材料です。
お芋を摺り下ろす道具も手に入れました。
錬金術の道具ではなく調理器具です。
摺り下ろしたお芋を濾す道具も手に入れました。
もちろん調理道具です。
最初から調理器具のお店に行けば色々捗ったようです。
錬金術師だからと言う思い込みで遠回りしてました。
道具は何でも良いって、ディジィばあちゃんも最初に言ってたのにね。
だいぶ調理器具が増えました。錬金術の道具はありません。
お散歩から戻ってくるとみんな起きていました。
「ご主人様、お1人の散歩は危ないですの」
だって、みんな寝てるじゃん。
「リリスはたたき起こしても大丈夫ですの!」
じゃあ、明日からはリリスを起こしてから出かけるよ。
「約束ですの」
全員そろって食堂に向かって朝ご飯を食べる。
「いつもの」
ニニアさんがそういうと串焼きとスープがやってくる。
さすがに朝からエールは飲まないらしい。
「妾もじゃ」
リズの目の前には芋のバター乗せが。
ちなみに、私の場合は頼む事すらなく、堅パンと塩スープが用意されている。
リリスは私と同じものを食べるが、当然それだけでは足りない。
追加で堅パンを2個と煮込みを注文する。
ベリーさんは私と量も同じだけしか食べない。
シオンさんは黒パンに何かを挟んだ物を注文している。
何を挟むかはその日の気分次第。
ベリーさんが心配だ。絶対足りないと思う。
「コイツの味見を頼む」
そう言って、おっちゃんが黄色いスープを持ってきた。
トウモロコシのスープだ。王都のとは少し違うけど美味しい。
アイテムボックスの鑑定で判明した材料が手に入らないらしい。
材料が足りないにしてはすごいできだと思うよ?
これはこれでとても美味しいです。
「やっぱり牛乳が必要か・・・」
牛のお乳らしいんだけど、新鮮じゃ無いとダメらしい。
この街の近くには牧場がないから手に入らないんだって。
牛のお肉は日持ちするから手に入るんだけどね。
お乳は絞ってから数日しか持たないみたい。
加工したバターやチーズなら手に入るんだけど、
やっぱり味が違うからね。
王都では、近くに牧場があったから、
牛乳や卵なんかも比較的安く手に入ったんだよね。
コモンズの街の近くには牧場がない、
ということは牧場を作れば大儲け?
いや、そんな簡単な話じゃない。
簡単ならすでに誰かがやっているはず。
それを誰もやらないということは何か理由があるはず。
そして、私の呪いなら、その原因を高確率で引き当てるはず。
やめよう。牧場なんて無理だよ。
卵と牛乳は欲しいけど・・・
さてと、朝ごはんも食べ終わったし、水飴の研究をしなくちゃ。
まずは先生を探そう。
ベリーさん、水飴作れる?
「水飴ですか?どのようなものでしょう?」
これだよ。
デロッとした透明の甘いヤツ。
「初めて見ました。私にはこれの錬成は無理です」
錬成じゃないんだ。調理なんだ。ごめんね。
おっちゃん、水飴作るときのコツって知ってる?
「とにかく何でも細かくするのと、濾すときも目の細かい布で濾すくらいか?」
素材を細かくして、不純物をなるべく取り除く訳ね。
薬を作るときと同じだ。
「特に芋だな、沈殿した後に上澄み捨てるだろ?」
そうなんだ。下に溜まったら終わりだと思ってた。
「一回じゃダメだ、もう一度水に溶かして布で濾すんだよ。それを何回もやるんだ」
なるほど!それだ!ありがとうおっちゃん!
さすがは料理人だね。料理の事なんだから最初からおっちゃんに聞けば良かった。
おっちゃんに教えて貰った事を守りながら水飴を作る。
「肉と安らぎ亭」の厨房の隅を借りて、
おっちゃんに確認しながら丁寧に水飴を作る。
芋を摺り下ろした汁から水飴の元が沈殿するのに時間がかかる。
その作業を何度も繰り返してると夕方になっちゃった。
ちゃんと作るとすごい時間かかるんだね。
でも、その分今までのとは見た目からして違う。
前のはもうちょっと濁った色だったけど、
今できあがったのは限りなく透明に近い感じだ。
とりあえずは鑑定しよう。
名前:水飴
品質:低品質
説明:透き通ったきれいな水飴。
あれー?
なんで低品質?こんなにきれいに出来たのに・・・
う、ぐすん。
がんばったのに・・・
うわぁーん。
丸一日、お昼ご飯も食べないでがんばったのに。
「リーゼロッテ様、味見をしましたか?」
ベリーさんが渋い顔をしながら話しかけてきた。
味見?そう言えばしてない。
どれどれ?
ぺろ。
うわっ!まずっ!甘くないじゃん。
これは確かに低品質だね。
何が悪かったんだろう?
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