第1章 ②


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自宅を後にし学校へ向かうため俺、高瀬翔太たかせしょうたを歩く。歩いている途中何度も眠気がやってきてふあ、と欠伸をした。


 (…こんなに晴れていい天気の日に学校とかめんどくさ)


 指で目を擦りつつ、軽く空を見上げる。快晴とまではいかないものの雲は少なく、また季節が春なため暑くもなく寒くもなく丁度よい気候だった。


 

 「……」



 ほんとはこんな日に桜が満開になってたらなあ、と俺はふと通学途中にある桜の木を眺めるともう葉桜になってしまっていた。葉桜になった桜の木に近づき下から見上げる。



 「…桜散るの早えな…」



春休み中に亮達と満開になった桜を見に行っておいてよかったなと思う。…まあその日は風が強く肌寒い上に人で激混みだったけど。


 (結局見ることできなかったな、あいつとは……ん?あれ)


そこまで考えて俺はふと思う。…あいつって誰だっけ?



「おはよー翔太。なに木見上げてんの」



 そのまましばらく考え込んでいると後ろから聞き慣れた声がし、俺は振り向く。振り向いた先にはクラスメイトの河村樹かわむらいつき



 「いや、もう桜散って葉桜になってんなーって。おはよ河村、それから陽貴も」



 2年に学年が上がると同時に俺の高校へ転校生としてやってきた速水陽貴はやみはるきが居た。



 「おはよう翔太くん」



 声をかけられた陽貴はそういい目を細めニコッと笑った。

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