季節で人格が変わる四季凪さんは僕の前だとちょっとおかしい。

くうき

第0話:四季凪さんは多重人格

 僕、天宮カナタは自分でもなんだが少し変わっていると自覚している。けど、高校に入ったら、それを超える女の子に会うとは思ってもいなかった。




~春~


「四季凪さんおはよ~。」


「うん!おはよっ!!あっ!〇〇ちゃん手出して?」


「ん?いいけど………」


「じゃあ、ハイッ!」


そう言って四季凪さんは箱らしきものを友人らしき人に渡すと「開けて開けて~!!」と無邪気に言う。それに答えて友達の子も開けると


「うわぁ!!し、四季凪さん!?な、ナニコレ~!?」


「うん?何って??びっくり箱だよっ!!」


そう言いながら四季凪さんは悪気の無い無邪気な笑顔で彼女に言い放った。そうして、桃色の髪を靡かせながら自身の席に戻っていった。




~夏~


「よいしょー!!」


「うわぁ!!す、すごいっ!すごいよっ、四季凪さん!!ホントにテニス初心者なの!?」


「へっへ~すごいだろっ!!ボク何でもできちゃうんだよね~!!」


水色の短い髪が光りながら、顔の汗をタオルで拭いながら自画自賛していた。


「四季凪さ~んバスケ部にも来てもらっていいかな~??」


「うん!!分かった!!ちょっと待っててね~。」


そう言って、足早に体育館へ駆け抜けていった。




~秋~


「………」


「えっ……えっと~し、四季凪さん??」


「ん??何?」


「いや、な、ナンデモナイデス・・・。」


亜麻色の長い髪が秋風に吹かれながらも、四季凪さんは特に髪をまとめるとかもせず、クラスメイトの男子に話しかけられても無視して本を読んでいた。


「四季凪さ~ん、先生が呼んでるよ~!!」


「んっ。」


背伸びを一つ入れて彼女は立ち上がり、教室から去っていった。




~冬~


「ねぇ、お前この私に逆らってもいいと思ってるのかしら??」


「ひっ!ひぃ!!」


「私はこれをやれって言ったわよね??」


「し、四季凪さんすいません!!」


四季凪さんは相手を土下座させながら睨みつけ叱責をする。艶のある黒髪と黒目は軽蔑のような何かを抱いた視線がそこにはあった。そして、土下座している少年の頭に足を踏みつけた。


「後、四季凪さんじゃなくて………四季凪様…でしょ??」


「はっ、はひぃぃぃぃ!!」


そう言いながら、叱責は続いた。徹底的にレスバ展開した四季凪さ………様は亡骸になった少年を見ながら満面の笑みを浮かべていた。怖いよ。






 そして、高校2年生になり………


「よろしくねっ!!天宮君!!」


「よ、よろしく~。」


四季凪さんと同じクラスになった挙句、何故か隣の席になった。しかも彼女は、人格が4つある。ナニコレ??


そんな奇妙で突飛でどこか甘い??ような高校生活2年目が幕を開けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

季節で人格が変わる四季凪さんは僕の前だとちょっとおかしい。 くうき @koooodai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ