夜更けの心緒
「復活」
すべてが消え去り
夜を迎えた大地に
一輪の
小さな花が咲いた
その花は
静寂を耐え
孤独と闘い
己の花弁を
闇から守り抜いた
長い夜が明け
金星と再会した花は
朝の陽光を祝福し
大地に色を蘇らせ
凛然と咲き誇った
「帰路」
湿った空気が
肌を震わせる
すれ違った子供が
雨が降らないうちに帰ろうと言った
プロキオンの見えぬ空を見上げて
眠りにつく町にぼくは消えた
「月の海の夢」
ぼくは裸足で
豊かの海に立ち尽くしていた
星のない夜空に浮かぶ地球を見つめ
その美しさにぼくは
玄武岩の海に
一粒の雫を落とした
「流星」
流星がぼくに囁く
動け瞬けと
深淵に沈んでいくぼくを
流星が引き留めようとしている
ぼくは暗闇の底から
弱りきった手をのばし
流星の尾を掴んだ
「探し物」
どれくらい探しただろうか
すべてを変える方法を
変わらぬ日々は
静かなる波音
動物のいない草原
出口のない洞窟
人のいない町
この日常に
変革を!
刷新を!
ぼくの探し物は
未だに見つからない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます