4話目 自分の家

マイ)さ、ここが私の家だよ!

イヴァン)暗いな……蝋燭などは…

マイ)蝋燭なんてないよ!だから……よいしょ!


(イヴァン)マイ殿は壁にある何かに触れた…すると……いきなりマイ殿の家が明るくなったではないか!


イヴァン)な、なんだ?!

マイ)ふっふ~……これぞ現代の技術……蝋燭よりも明るいでしょ?

イヴァン)あぁ……これも……電気……というやつで動いているのか

マイ)そうそう!ちょっとついてきて!

イヴァン)靴は……脱いだ方がいいのか?

マイ)うん、スリッパ持ってこようか?

イヴァン)「すりっぱ」?なんだそれは?

マイ)室内で使う靴みたいなものかな!

イヴァン)……では、頼もう

マイ)ちょっと待っててね!


(イヴァン)……しかし、かなり気密性の高い家だな………雨漏りもしなさそうだ……暑くはないのだろうか?


マイ)クーラーもつけといたよ!ほら、これがスリッパ!

イヴァン)……どうやって使うのだろうか……この……「すりっぱ」は……

マイ)えっと、ここに足を入れて

イヴァン)こ、こうか


(イヴァン)とても履きやすい……ブーツは頑丈だが履きにくいからな……そしてとても履き心地がいい…


マイ)歩けそう?

イヴァン)あ、あぁ……なんとか…

マイ)じゃあお風呂に入る?

イヴァン)お風呂…よく分からないが……入ろう


イヴァン)……ここはなんだ……見たことのない物が置いてある……

マイ)服とかはその籠に入れててくださいね!

イヴァン)すまない、ここまでもてなしてもらうとは……

マイ)いいのいいの!

イヴァン)で、では……脱ぐとしよう

マイ)上がったら教えてね!

イヴァン)承知した


(イヴァン)さて……この服はやはり重たいな……脱いだら一気に楽になった……入るか……「おふろ」とやらに!


イヴァン)……なんだここは……よく分からない水の貯まった……籠のようなものと……こん棒のような見た目をしたものが立て掛けられている……その隣には……薬品か何かの入れ物か?


(イヴァン)まさかここは……奴隷の……いや恐らく違う、奴隷と言ったらまたマイ殿の鋭いツッコミが入りそうだ……さて、と


イヴァン)……これはどう使うんだ?……こん棒のようだが……近くに何かある……バルブ、というやつか?……回してみるか


(イヴァン)すると……こん棒のような物から温水が出てきたではないか


イヴァン)なっ!?な、な、な何だっ?!この水……魔法な何か?!……ふむ……


(イヴァン)勢いはそれなりにあるが、とても気持ちいい……このまま体を洗ってみるか


イヴァン)……私の城ではこういった温水は……桶に貯められているものを体に浴びたりしたな……だが……この温水はそれとは違う……


(イヴァン)……こんなものだろうか…私は、近くにあった大きな籠……いや、なんだこれは………バスタブ……とも違うが……入ってみる……か


イヴァン)……ふむ、これも温水……先程の温水が出るこん棒とは違い、体をじんわりと暖めてくれるものか……疲れがほぐれるな


(イヴァン)あぁ……なんと気持ちいいのだろう………このまま眠ってしまいそうだ……って、いかんいかん、このまま眠っていたら溺死してしまう……よし、そろそろ出るか……


イヴァン)……上がったぞ

マイ)どうだった?

イヴァン)……とても気持ちよかった…

マイ)お風呂、気持ちいいからね!あ、そうだ!これを着て!

イヴァン)これは……衣服か

マイ)うん!着方は……

イヴァン)なんとなくだが分かる……こうだろうか

マイ)……ズボン、逆です

イヴァン)す、すまない……下着は問題なく履けたのだが……

マイ)……これでよし


(イヴァン)マイ殿はすごいな……恐らく、家族にもこうやって衣服の前後を間違える人物がいるのだろう


マイ)それじゃあ、私もお風呂に入りますから、リビングのソファーに座って待っててくださいね!

イヴァン)分かった



イヴァン)……リビングは……ここか……マイ殿が出てくるまで少し休むか……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る