(四)-4

 そういえば、僕は置いてけぼりになったこともあり、食べるのを忘れていた。しかも母と妹の分も買ったのだった。鶴巣PAで渡すのも、すっかり忘れていた。

 僕はそれを手にすると、運転席からキャビンを降りた。

 妹の泣き声がこだまする中、父と母の怒鳴り声の応酬は続いていた。

 僕はビニール袋から「あだたら芋小町」を一つ掴んで取り出し、母の方へ歩いて行った。

「母さん、これ」

 僕は芋小町を掴んだ手を前に突き出して言った。


(続く)

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