(三)-7

 僕は、父の言葉にショックを受けて、その後はしばらく話せなかった。

 父の怒りのほとぼりを冷ますのにも、その方が良かった。

 僕たちは黙ったまま、青森についた。青森ICインターチェンジから下道に降りて、五分程の所にある青森のフェリー埠頭に向かった。そこからフェリーに乗り海を渡って函館まで行く。そして陸路札幌を目指すのだ。

 時間はすでに深夜であった。深夜二時台のフェリーもあったが、僕たちは車の中で仮眠することにした。

 父はむすっとしたままキャビンの上部にあるベッドにさっさと上ってしまった。僕はキャビンの後部のベッドに横たわり寝ることにした。


(続く)

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