(三)
現代青果の名前の入った三菱ふそう製のスーパーグレートは鶴巣
僕と鵜沼さんは下車すると父の車を探した。すると、ゲストハウス前の大型駐車スペースにそれはいた。
よく見ると、運転席で待っていた父が僕たちを見つけて既にキャビンから降りてドアを閉めたところであった。
左右を見て車がいないことを確認すると、父は僕の方に駆け寄ってきた。
「悪い悪い」
父は頭をかきながらやってきた。
「すみません、鵜沼さん。ご迷惑をおかけしました」
「いえいえ、それでは確かにお返ししますよ」
鵜沼さんはそういうと、すぐに自分の車のドアを開けてキャビンに上がった。
僕と父は「ありがとうございます」と頭を下げると、鵜沼は車にエンジンを入れクラクションを小さく二回鳴らし、すぐに出発していった。
(続く)
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