(二)-7

「何ですって?! 何やってんのよ、あのバカはっ!」

 声が大きすぎてスマホのスピーカーから聞こえる母の声は音割れしていた。

「とにかく今すぐ行くから! 待ってなさい!」

 音割れする母の声が聞こえた後、僕が返事をする前に通話が途切れた。

 その後、父から電話があった。

「現代青果の鵜沼さんが行くから、そこで待ってろ」

 スマホが父の声でそう言うと、僕が返事をする間もなく通話を一方的に切られてしまった。

 仕方がないのでレストランの方へ行って軽食コーナーでこのSA限定の「ももソフト」を購入し、食べながら待つことにした。


 三〇分程するとSAの建物の前に大型トラックが停まった。キャビンのドアには「現代青果」と書かれていた。

 僕が食べ終わったももソフトのコーンを、音を立てながら食べ尽くすと、コーン部分に巻かれていた紙をクシャッと右手で握り潰し、建物を出た。


(続く)

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