（一）-5

　父の姿を見つけると、母は大声を上げた。

「あんた！　またあんなもの取り付けて！　何考えているのよ！」

　父はそれに対して何か言い返しているが、よく聞こえない。父も地声は小さくはないのだが、怒りＭＡＸの母の声と比べてしまうと、だいぶ小さい。

　さらに母が何度か父をなじり、父も何か言い返すなどすると、父は母を無視して僕の方に歩いてきた。

　母が父の背中に「ちょっと待ちなさいよ！　話は終わってないよ！」と大声を浴びせる。


（続く）

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る