〈5分で読める小説シリーズ〉メッセージ
猫宮いたな
リアルとネットでキャラ変わる人っているよね
7月4日 晴れ時々雨
蝉が鳴き始めて夏を迎えようとしている。
僕は橘ひかり海南高校の2年だ。
早速で悪いが僕は学校が嫌いだ。
仲良くもないのに無理矢理他人と関わりを持たされる。
自分でも言うのはあれだが、僕は容姿がいい。
そのせいか苦手な女達が俺によってくることも少なくない。
別に他人と関わるのが嫌いって訳では無い、ただ騒がしいのが嫌なだけだ。俺の考えを理解してくれる奴とだけ僕は一緒にいれればいい。
そう思っていたのに、
「席替えするぞ〜じゃー適当にくじ引いてけ〜」
恨むぞクソ教師、何が席替えだ、席を変えたところで勉強の効率が良くなる訳でもないのに。
「俺一番前かよ」「おっ、俺ら席近いな」
なんてクラスメイト達の会話が聞こえてくるが俺には関係ないな
「橘くんだよね、橘ひかりくん、、これからよろしくね」
席を動かしてクラスメイトが騒いでいる中隣から声が聞こえた。確か赤崎ゆうなだったか、クラスのヤツらが可愛いよなとか騒いでた記憶がある。
いちいち可愛いとか言う意味が分からん。でも、確かに可愛いとは思う
「、、、はい」
何故だろういつもなら相槌程度しか返さないのに返事してしまった。
まぁ、そんな気にすることでもないか。
「今日はこないだ配ったプリントも使うぞー」
席替えを終えしばらくしたらいつも通り授業が始まっただが!
「橘くん、ごめん!プリントれちゃって見せてくれる?」
「、、わかった」
嫌がらせか?何故こいつ俺に頼む。反対側のやつに見せてもらえばいいだろう!
「ありがとうね後でジュース1本あげるね」
「いえ、大丈夫です、」
頼む1回静かにしてくれあのジジイ声小さいし滑舌悪いから聞き取れないんだよ。
「橘くん、お願いがあるんだけどさLINE交換できる?」
授業が終わり帰ろうとしたタイミングでゆうなが話しかけてきた。なんで俺のLINE欲しがってんの?俺とLINE交換したところでいいことないのに。
「別にいいですよ、」
まぁ、別に断る理由もないしどうせすぐ話さなくなるだろうからな
「やった!家帰ったらLINEしていい?」
そう言いながらスマホに移るQRコードを見せてくるゆうな
「まぁ、はい、」
なんか面倒くさそうな人に捕まったんじゃね?これ、
そう思いながらひかりはQRコードを読み取った。
Akayuna『今日は色々ありがと!』
木の人『こちらこそありがとうございました。学校ではあんな態度とってしまって申し訳ないです』
家に帰ってしばらくしたらほんとにゆうなからLINEが来た。Akayuna、赤崎ゆうなだからAkayunaかわかりやすいな。ちなみに俺のLINEの木の人って名前は橘が木になるから木の人だ。分かりにくいね
Akayuna『橘くんすっごい元気だね笑』
あら何この子すっごい失礼、あんまこーいうこと言っちゃダメやろ
木の人『まぁ、相手の顔が見えないので気が楽ですねw』
Akayuna『学校とかだと緊張とかしちゃうの?』
木の人『まぁ、そんな感じですねw』
木の人『でも、学校で話しかけてもらったのすごい嬉しかったです』
ほぼ初対面でしていい会話じゃない気がしてきたけど気にしない。これで俺の事嫌ってくれたら学校で絡まれることも無くなるやろ
Akayuna『そーなんだ笑私もそれ聞いてちょっと嬉しいな笑』
Akayuna『明日も話していい?』
木の人『まぁ、いいっすよ楽しいですしw』
Akayuna『そっか笑じゃあ楽しみにしてるね!』
Akayuna『あと敬語使わなくてもいいからね?橘くんが話しやすいならいいけど』
木の人『わかりましたwなんかすいません』
Akayuna『いやいや笑全然いいよ笑じゃあ今からご飯食べるからまた明日ね』
木の人『うす』
Akayuna『おやすみ〜』
(猫耳の子が布団から顔を出しておやすみって言ってるスタンプ)
何このスタンプ可愛いかよ欲しいな。
「お兄ちゃん〜ご飯食べよ〜」
「あいよー今行くー」
俺も飯食うか今日の飯はなんだろうな
***
「席替えするぞ〜じゃー適当にくじ引いてけ〜」
私のクラスの担任篠崎先生が急に席替えをすると言い出した。
新しいクラスになってだいたい3ヶ月、クラスのみんなは席替えが楽しみと言わんばかりにソワソワしている。
もちろん私も落ち着きを少し失ってるかな、
だって!席替えってことはクラスの女子からの注目の的の橘くんと隣になれるかもしれないから!
橘くんはイケメンだし!頭もいいし運動神経抜群!女子からモテる全ての要素持ってる完璧超人!
絶対隣は私がいただくんだよ!
くじ引きの結果は1番後ろの1番窓側つまり角の席だ。
この学校は海と山に囲まれて外の景色は普通に綺麗で私は好きだ。実際進学理由もこの景色見るためだからね。
位置は完璧あとは隣の人!これは席を動かしてみないとわかんない、さぁ隣は誰だ!
「じゃあ全員位置決まったな〜じゃあ机動かせぇー」
勝った、勝った!!隣がなんと橘くんじゃないか!幸せじゃん!
「橘くんだよね、橘ひかりくん、、これからよろしくね」
橘くんってあんまり近くでいること無かったから気づかなかったけど香水のいい匂いするな、幸せ〜
でも授業中はあんまり話出来ないの残念だな〜
次の授業は確か、プリントが必要なはず、、、
プリントがない、、、
これは!絶好のチャンス!橘くんにプリント見せてもらって机くっつけちゃって?えへへなんか照れちゃうな、
変な顔になってないよね?
カバンから手鏡を取り出し自分の前髪を整える振りをしながら表情を確認し、プリントを探すふりをする。
よし!話しかけよう!
「橘くん、ごめん!プリントれちゃって見せてくれる?」
さすがにダメなんて言わないよね?
「、、わかった」
あれ?なんか、嫌な顔した?
私早速嫌われちゃったのかな?
気になってる人に嫌われたかもと思えば思うほどゆうなの心臓のリズムは乱れて素早くなっていき、周りの音はだんだんと消えていく。
冷静さを欠かして行く中でも頭だけは冷静に回っていた。
まだ挽回できるはず、嫌な顔は気の所為で目が悪いから目を細めていたのを私が嫌な顔と思っただけかもしれない。そう思考を回していた。
「今日はここまでだな〜じゃあ次回は次のページやるからなぁ」
気がつくと授業が終わっていた。
さっきまで聞こえなかったセミの鳴き声、海のさざ波の音全てが流れるように聞こえてくる。
今日の授業は何をしたのか、授業中の自分がしたことすら分からなかった。そこにあるのは橘くんに嫌われたかもしれないけどここからどうにか挽回するという意思しかなかった。それならすることはひとつしかない
「橘くん、お願いがあるんだけどさLINE交換できる?」
そう、連絡先を交換することだ。
今の時代、誰もが連絡先を簡単に交換することが出来るが直接交換しようとすることは学校以外でも話がしたいという気持ちの現れなのだ。
もし連絡先を交換することを断られたらそれはつまり話したくない、関わりたくないということになる
これが一番の近道で1番わかりやすい確認方法なんだ。
お願いします!私は橘くんと沢山お話がしたいの!
「別にいいですよ、」
なんか、1番分かりにくい答え方された、
断られなかったってことは別に嫌ってことでは無いはず!ただ!別にってなに!別にって!それはLINEが来たら返すぐらいの関係にしかならないってことなの!?
まぁ、でも交換できただけでも嬉しいな。
気がつくとまた外の世界は姿を変え、風が木々を揺らす音と赤く染まりつつある海を背に笑顔で帰路に着いたゆうなは心の中でひとつ目標を立てた。
『まずは橘くんを笑わせてやる』
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