【本編完結済】距離感のバグったTSっ娘と親友がイチャイチャする話

エイジアモン

TSっ娘と親友がイチャイチャする話

1.自分の居場所

とにかくTSっ娘と親友のイチャイチャが書きたかった

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そろそろ教室に着く、緊張感が高まってきてドキドキする、大丈夫だろうか、どういう認識になっているのだろうか。


深呼吸し、意を決して教室へ入る。

まずは入り口付近に座っている仲が良かった男子生徒に挨拶する。


「おはよー」

「お、あ、おはよう」


知らない女子に話しかけられた、という反応じゃ無さそうだ。

次に自分の席に座りつつ隣の席の女子生徒へ挨拶する。


「おはよー」

「あ、おはよー矢内さん」


元男子に話しかけられて嫌悪感を感じている様子には見えない。

席に着いて周りを見回してみたけど特に嫌な視線や違和感は感じない。


俺の名前は矢内 睦巳(やうち むつみ)高校2年生、昨日までは男だったけど今は女の子になっている。

175センチだった身長が155センチくらいに、そして腰まである濃いダークブラウンの髪に大きな胸。

どこからどう見ても女の子だ、そして巨乳美少女JK。


さて、周りの反応を見る感じ、やはり俺は元々女の子という認識のようだ。

知らない女子が来た、という反応ではないし男子が女子になって登校してきた、という反応でも無い。


◇◆◇


その後も様子を探り探りで男友達に話しかけたり、多少話をする女子とも話をして、担任の先生とも話をした。


結論として、やはり皆の認識では俺は元から女の子だった。


もはやそれに対して一々反応する気も起きない。

朝起きてからずっとこうで親からして俺を元から女の子だと思っているようなのだ、でも俺は間違いなく昨日までは男だったはずだ。


これからは、いや、周りからすればこれまでもそういう認識なんだろうけど、女の子として過ごさなくちゃいけないのか、男であった過去を無かった事にして。


それを認める事は今までの俺の全否定だ、そんな事出来ない、でも俺の過去が男であった事を知る人は居ない。

それは存在していないのと同じだ。

いくら叫ぼうとも、変わらない。



──俺には心の支えが必要だった。

でも親すら男だった事を覚えていないのに誰になら頼れるというのか。



……そうだ!まだ1人、会ってない奴が居る、それは駿だ。

小学校からの親友、宗清 駿太朗(むねきよ しゅんたろう)だ。


あいつは今日体調不良で休んでいてまだ話が出来ていない、でも駿も俺の事を元から女の子だと認識していたら、本当に俺を男だと知る人は居なくなる。

この感じだと駿も俺を元から女の子だと認識している可能性が高い、だって親ですら俺を元から女の子だと思っているのだから。


もう殆ど意味の無い行動だと思ったけど、俺は何かに縋りたかった、俺の居場所を、俺の心を救って欲しい、その想いだけで親友の家へ向かった。


◇◆◇


玄関でチャイムを鳴らし、反応を待つ。

少しして、駿のお母さんが出てきた。


「あらいらっしゃい睦巳ちゃん、わざわざお見舞いありがとうね。駿太朗ね、もう熱も下がってるし会えるから、ちょっと待っててね」


それを聞いた俺はやっぱりダメなのかと思った、おばさんは女の俺を知っていて、男の時なら睦巳"くん"だったはずなんだ。


怖い、もう此処から逃げ出したくなっている、だって、駿も男の俺の事を忘れていたら本当に俺の存在が無くなってしまう気がしてたまらない。

それが確定してしまうのが怖い。


半ば諦めていて、俯き、逃げ出す寸前だった。

駿に合わなければ覚えている可能性が残る、俺はそれに縋って生きていける、よし逃げよう。


「えーと、すみませんが、どちら様ですか?」


駿はいつの間にか階段を降りてきていて、俺の前に居た、そして信じられない言葉を発した。

"どちら様ですか?"という言葉。

もしかして、そう思い俺は顔を上げ駿を、駿太朗を見つめた。


「あー、母さんが俺の友達と間違えちゃったみたいで、姉さんのお知り合いですか?すみません、姉はまだ帰ってなくて、どの様なご用件ですか?」


駿は女の子の姿の俺が分からないみたいだ。やばい、嬉しさで跳ねたくなっている。

でも待て落ち着け、念の為、聞いてみる。


「駿、俺だ、睦巳だ、分かるか?と言っても女の子になっちゃってるから分かんないかも知れないけど、俺は男で駿とは親友だった、そうだよな?」

「確かに睦巳は親友だけど、あいつ男だからな、君は女の子じゃ無いか、そういう冗談は面白く無──ッ!」


やっと見つけた!

感極まって駿に抱き付いた。

男としての過去を認識してくれる、つまり俺の存在を証明する唯一の存在。

俺の心の拠り所は、俺の居場所は、駿太朗、お前だったんだ。

暗闇に光を刺してくれた俺の親友。もう離さない。


俺の存在を肯定してくれた、俺だって駿を肯定するからな。

お前は最高だ!最高の親友だ!このイケメンが!このやろう!


さっきまで暗闇だった心が駿のお陰で今や光に満ち溢れている。

朝からずっと落ちこんでいた心がやっと上向きになった様な気がする、ようやく今日が始まった気分だ。


「あの、すみませんが、離れて貰っても良いですか」


え、やだ、俺は離れたく無いぞ、暫くはこのままでいさせてくれ。

今とても良い気分なんだ。


ギュッと力を込めてより駿に密着した。

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