第2話「砂漠のオアシス」

〇登場人物紹介〇

ソラ=クロックス 男 人間 13歳

主人公。砂漠の村テルに住む少年、町にあるギルド酒場に所属しているガンマン。

しかし、銃はあまり得意ではない。のんきな性格で女の子には弱い。


アリス 女 AI搭載アンドロイド 製造されてから5年(5歳?)

ミランダいわく、めずらしいAI搭載フェアリー型アンドロイド。

銀髪で美人、スレンダーな整った容姿をしている。

性格は一見、焼きもち焼きで我がままに見えるが…


ミランダ=ミラー 女 人間 14歳

砂賊団の賊長、デリーズに追い詰められていた愛らしい少女。その理由とは?

デリーズから、助けてくれたソラの事が気になっているようだ。


イメージイラスト-AIイラスト作成アプリ

https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16817330660437738870

🌛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌛



いつの間にか日は、とっぷりと暮れて夜になっていた。

デリーズから逃れ、夜の砂漠の温度差に耐えながら、ソラ達はやっとの想いで

オアシスに着いた。

着の身着のままで、逃げて来たソラ達だったが。

ここは、泉があるおかげで快適でのどもうるおせる。


洋梨のような形の黄色いノノンの果実も、なっているので腹を満たすにも最適だ。

これは甘くて香りも良く、ソラも好物の果物だった。

ソラとミランダ、アリス達は泉から少し離れた場所で野宿をすることになった。

パチパチ

たき火の温かさが、ソラとミランダの身体を温めてゆく。


虫の鳴き声、水の音。砂漠の夜は静まり返っていた。

暖を取り始めてから最初に口を開いたのは、ミランダだった。

「私は、ミランダ=ミラーよ」

「僕はソラ=クロックスだ。そっちのAIは、アリス」

「ねえ、ソラ。あなたは何で、見も知らずの私を助けてくれたの?」

「ん~?僕って、困ってる女の子を放っておけないタチなんだ。

あまり、気にしなくていいよ」

「ふうん…そうなの?あなたって優しいのね。ありがとう」


ミランダは、少し頬を染めてソラの目を見つめた。

「ああ、うん…」

頬を染めて照れるソラにアリスは、むっとしなから二人の間に割って入った。

「ダメダメ~っ!こんな、へちゃむくれ。ソラは、アタシの物なんだからあ~!」

いきり立つアリスにソラはため息をもらし、心底呆れた表情をした。

「この、AI搭載のフェアリー型アンドロイドね?私、初めて見るわ。

だってとても、綺麗なんだもの」


ミランダがまるで、妖精のように可憐なアリスの姿に目を輝かせて、まじまじと見る。

「やだっっ!そんな目で見ないでよ。アタシは、アンタなんか嫌いよ!」

アリスは、ミランダに嫌悪感を示すような表情と言葉を投げつけると。

そっぽを向いて、どこかへ飛んで行ってしまった。

「はは、アリス変な奴だなあ。あんなに怒る事ないのに」

ソラはのんきにアリスが、飛んで行った方を見ながら笑っていると。


彼の無神経さにミランダが少し、むっとしながら言った。

「私は、アリスの気もち分かるわ。女の子はね……好きな男の子にはいつも、自分だけ見てて欲しいと思っているし。

他の娘と話ししていると、嫉妬するものなのよ」

「へえっ!?アリスが、俺のことを好き?まっさかあ~」

ソラは頬を真っ赤に染めて一瞬、締まりのない表情でへらっと微笑んだ。

その様子を見て、もしかしたらソラも、アリスの事が好きなのではと感じて

胸がチクリと痛んだ。


その頃のアリスは、樹木の枝の上に座ってまだ、ぷりぷり怒っていた。

「もう!ソラったら何よ。あんな、お子ちゃまにデレデレしちゃって!

アタシの方が美人だし、ナイスバディなんだからっ」

しかし、だんだんとアリスの勢いがなくなってきた。

「ソラのばか……」

アリスの瞳から涙がこぼれ落ちた。



彼女は、エネルギー不足で枝の上からふらりと落ちた。

とその下で、アリスをタイミングよく受け止めた者がいた。

何と、砂賊団デリーズのAI、マイキーだった。

「うふふっ!ソラの弱点、捕ま~えたっ!デリーズ賊長喜ぶぞ~!」


マイキーは、うふふと嬉しそうに笑うとアリスを小脇に抱え、

喜び勇んで、デリーズのアジトに戻って行った。

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