第5話

なぜですか?


 行けと言ったら行け!


 静かな声で怒鳴られ、恐怖感が増した僕は

車を出した。しばらく無言のドライブが続いた後目的地に着いた。車を駐車場に泊めた。

女は言った。


 銀行に入ったら窓口に行って、職員にこのカバンを渡せ!質問は無しだ。


 僕は何も言わず言われた通り動いた。背中に銃が向けられているから。カバンを渡された職員は変な表情をした後、席から離れた。

しばらくして、渡した時よりかなり重くなったカバンを僕に返してくれた。変な表情をしながら。


 車に戻れ


 小さな声で女は言った。車の運転席に乗ったら女は僕が持っていたカバンをもぎ取ってこう言った。


 もう行っていいょ


 そして、ほっぺに軽くキスして走り去っていった。


 

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