【酷い話】彼氏の匂いが染み付いたベッドで他の男と寝た話
ミクの物語LAB
彼氏の匂いが染み付いたベッドで他の男と寝た話
② 【彼氏の匂いが染みついたベットで他の男と寝た話】
私には付き合って二年の彼氏がいる。彼の家で半同棲をはじめて一年半が経った。今、私は彼氏の家にいるが、隣で横になっている裸の男は、彼氏ではない。私はまた、魔が差した。つい、ヤってしまった。
昨日、彼氏は友達と飲みに行くと言い家を出た。
「今日遅くなる?」
「んー、わんちゃん友達の家に泊まるかも。終電逃したら連絡するわ。今日もうちに泊まる?」
「泊まりたいかも。私明日三限からだし」
「おっけー、行ってくるわー」
と、軽く会話をしてから彼は家を出た。
私はすぐに浮気相手であるバイト先の先輩に連絡をした。おそらく、あの感じだと彼氏は今日家に帰らない。もし彼氏が帰ってくるようなら、先輩との約束をキャンセルすればいい。先輩は私にベタ惚れだから急に断っても許してくれるだろう。
そして0時前に、終電を逃したと彼氏から電話がかかってくる。
「もしもし、今日やっぱり友達の家泊まるね」
「わかった。でも、いったんビデオ通話にして」
「なんで?」
「そこに女がいないか確認するから」
「いないよー」
「じゃあはやくカメラオンにしてよ」
「なに、疑ってんの?」
「違うけど一応だよ」
…
とまぁこんな感じで、さりげなく自分が家にいることを彼氏に認識させる。彼氏は自分の疑いをはらすことで精一杯だ。まさか、私が浮気をしているとは思わないだろう。
「わかった。ごめんね疑ったりして」
「いいんだよ。こちらこそ心配にさせてごめんね。じゃあ、明日の昼過ぎに帰ってくるね」
「わかった。おやすみなさい」
「おやすみ」
電話が切れると、シャワーを浴び終わった先輩とキスをした。私も、先輩と交代でシャワーを浴びにいく。そして、彼氏の匂いが染みつくベットで、私は先輩と寝た。
そして朝、罪悪感に襲われる。またヤってしまった…と。まぁ、終わったことは仕方がない。それに、昨日の先輩はあまりにもしつこかったし、「彼氏に浮気をバラすぞ」と脅されたため、これは不可抗力だと、自分を納得させる。
すると、インターホンが鳴った。相手は、彼氏だ。
「ごめーん、家の鍵忘れてさ。あけてー」
「あ、お、おっけー」
私は動揺した。昼に帰るって言ったくせに、まだ朝の十時じゃないか。まずい、どうする時間がない。
この状況を見られるのは、かなりヤバイ。インターホン越しに彼氏は急かしてくる。
「おーい、早くしてくれ。トイレ行きたいんだけど」
「ちょ、ちょっとだけ待って!私服着てなくて」
「ん?なんで裸笑」
誤魔化しながらも必死に部屋を片付ける。
「いい加減開けろよ!もしかして、誰かいるの?」
「なわけないでしょ笑誰いれるのよ」
「じゃあ早く」
「はーい、いま開けるねー」
私は仕方なく、エントランスの鍵を開けた。この部屋はアパートの三階。彼氏がエントランスを抜けて階段を上がるまでの時間は約1分。私は頭と体をフルスピードで動かした。
今、やるべきことは何か。とりあえず、先輩の靴を隠した。靴箱の奥に押し込めば気付かないだろう。テーブル上の飲みかけのお酒はどうしよう。いや、あえて片付けないでおこう。変に綺麗にしすぎても怪しい。ベットに染みついた先輩の匂いはどうしよう。かすかにタバコの匂いも混じっている。彼氏はタバコを吸わないから気がつくかもしれない。しかし消臭剤を探す時間はない。匂いは諦めよう。
なによりもこの物的証拠を隠さなければいけない。ティッシュは捨てて、ゴムは同じメーカーのものを二つ追加しておく。濡れた床もある程度は拭いた。汚れた部分全てを拭き取っている時間はない。
「ピンポーン」
彼氏が部屋の前まで来てしまった。窓に鍵をかけ、ベランダが見えないようにカーテンを締めた。これでバレたら仕方がない、と覚悟し、私は彼氏を部屋に入れた。
「なんか部屋散らかってない?」
彼氏の一言目はこれだった。
「え、ごめん。それよりあんた香水臭くない?」
この部屋の「匂い」を指摘される前に手を打っておく。
「そうかな?友達の家の匂いじゃない?」
「なるほどね。じゃあ私もう行くね」
「あれ、三限からでしょ?早くない?」
「レポート終わってないから早く行こうかなって」
私は一秒でも早くこの部屋を出たいため、適当な言い訳をして家を出ようとした。バレないうちに、早くアレを回収しなければならない。
「じゃあまた夜ねー。いってらっしゃい」
「いってきまーす」
私が家を出ようとした瞬間、彼氏はベランダの窓を開けようとした。
「ちょっと待って!なんで窓開けるの?」
「え?だって香水臭いっていうから」
「いや、大丈夫だから」
「いいよ、換気したいし。なに?ベランダに何かあるの?」
「いや、別に違うけど…」
彼氏がカーテンを開け、ベランダに出るのはまずい。先輩の姿を見たら、彼氏は発狂するだろう。
「ねぇ、こっちにきて、キスして」
私は彼氏を玄関に呼び、ベランダから離した。そしてしばらく熱いキスをした。
「どうしたの?急に」
「ううん。ちょっと寂しくなっただけ」
「そっか。可愛いな」
彼氏は私をエントランスまで見送ってくれた。彼氏がいなくなった瞬間、私はアパートの外の、ちょうど彼氏の部屋の下に向かった。そこには、先輩の死体が転がっていた。
「危なかった。今回も、なんとかバレずに済んだ」
私は先輩をバラバラにして、細かくしてから回収した。
先輩は昨日の夜、私と付き合おうと言ってきた。あまりにもしつこいし、脅された私は怒りにまかせてつい殺ってしまったのだ。
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