"癒し"系VTuber・蛇王ルキ
第51話 チ◯◯なんかに絶対負けたりしません!!!
▽
──その女は、オアシスを治める巨大企業の社長を務める「
平均同時接続者数、25,000名。
チャンネル登録者数、752,912名。
香りで惑わし色で魅せ、身と舌とで絡めて堕とす。
オーロラ・プロダクションの
強襲せし新たなる来訪者。
”癒し”系VTuber「
▼
「あーん佐々木っちぃ! 会いたかったぁーんっ!♡」
「ルキぃぃいいい! なんで、ここにいるのおおっ!?」
高山愛里朱のスタジオの玄関だった。
突如として押しかけてきた蛇王ルキ(の中の人)に押し倒されたまま俺は絶叫する。
跨ってくるルキをなんとか
くそ、できる限り手を遠ざけるしか……っ……!
「あんっ……♡ ダメだよ佐々木っちぃ……、そんなトコ……触っちゃ、やぁ……っ……♡」
「だから触ってないでしょうがっ! いかがわしい声を出すなっ!!」
「えへへ! 佐々木まねーじゃーぁ! じぶんを無視しないでくらさいよーぉ!」
「チサトのそのノリはなんなのっ!? キャラ変したのっ!? ていうか酒臭っ! なんでえっ!?」
蛇王ルキがまさに蛇よろしくペロリと唇を舐めて笑った。
「チサっちがお酒臭いのはぁ……ルキ社長がいっぱい飲ませちゃったから、だよ?♡」
▽
──時は3時間前。
獅紀チサトの配信『酔ったら即終了! 成人記念ほろ酔い配信です!【ルキ殿コラボ】』でのことだ。
「敬礼ッ! こんばんは、
ブルーのショートへア。少年のようにキリッとした表情の獅紀チサトが、びしりと敬礼モーションをきめた。
【敬礼!(>ロ<)ゝ】
【けいれー!】
【お疲れ様ですへいちょー!(>ロ<)ゝ】
【兵長かわいいよ兵長(>ロ<)ゝ】
「先日の誕生日配信では多くのご祝辞をありがとうございましたっ! 本日の配信は『獅紀チサト成人記念』と題しまして、特別ゲストに来て頂いてます! どうぞっ!」
「
【サ・アイ・へ・セス! ~>゜)~~~】
【お疲れ様ですしゃちょー!(>ロ<)ゝ】
【蛇社員さんたちもこんばんはー!(>ロ<)ゝ】
【けいれいニョロ〜 ~>゜)~~~】
「わあ、コメントにも活気がありますね! 今日はよくいらっしゃいましたルキ殿──って、ひゃわあっ!?」
「ぷふふー♡ かわいい後輩のためならどこまででもイっちゃう次第でーすっ♡ ……ねぇねぇ……神兵団さんたちぃ……? 生チサトちゃん……めちゃめちゃしっとりで……触り心地いいよー……?♡」
【へ、へいちょおおお!?(>ロ<)ゝ】
【ああ……やってんな…… ~>゜)~~~】
【すいません弊社の社長が……】
【殴っていいニョロので……】
「ちょ、お、おやめくださいルキ殿……っ!? スキンシップはほどほどに……! 今回の目的は別にありますよねっ!?」
「はーい! そうなんですよー! ルキ社長ねぇ……チサっちがオトナの階段登ったって聞いてからぁ……どうしてもハジメテをご馳走になりたいと思ってたんですぅー……♡」
【逃げなきゃ(迫真)】
【へ、へいちょおおお!?(>ロ<)ゝ】
【流れ変わったな?】
【すんませんウチの社長が……】
「な、なんだか表現がいかがわしいです……! ええいっ、自分が言わせていただきます! 今回の配信のテーマはズバリ、『飲酒』です!」
「ぷふふ、そおでしたー! チサトちゃん興味あるんだもんね?♡」
「はい! 二十歳になったら飲んでみたいと思っていました!」
「っ!? あ、はは……チサっちチサっち違うでしょ……? 獅紀チサトちゃんは200才のマンティコアなんじゃないっけ……?」
「えっ、あっ、あっ! 失礼しました! そうです!! 今年で200歳でした!!」
【ゼロひとつの間違いよくありますよね!(>ロ<)ゝ】
【自分もよく2歳って言っちゃいます(>ロ<)ゝ】
【なんかコメ欄がほのぼのだニョロな……? ~>゜)~~~】
【やさしいせかい】
【やさいせいかつ】
「……というわけでぇ♡ 今日は飲酒処女なチサトちゃんに合わせて6つのレベルで
レベル5 スピリタス
レベル4 ストゼロ
レベル3 ワイン
レベル2 酎ハイ
レベル1 ビール
レベル0 ボンボンショコラ
【ストゼロきたああああああああああああ】
【お ま た せ】
【応援しています兵長(>ロ<)ゝ】
【乾杯であります(>ロ<)ゝ】
【うわばみ…… ~>゜)~~~】
【うわばみ注意……】
「それじゃーぁー……最初は優しくウイスキー入りのボンボンショコラで乾杯しちゃおっか♡」
「おお、チョコレートですね! 未成年でも食べれるお菓子じゃないですか! いただきますっ!」
「ぷふふ! さすがに簡単すぎたかなぁ……?」
「はむっ……当然です! こんなものいくらやっても無駄です! 自分は獅紀神兵団の兵長!! チョコなんかに絶対負けたりしません!!! ふにゃああ…………」
──────────────────────
今回もお読みいただきありがとうございます。
新編始まりました!
どうぞよろしくお願いいたします!
お菓子の名前が先頭にくると飯テロになってよくないな、と思ったのでタイトルは伏せ字にしました。気遣いのできる作者です。
執筆の励みになりますので、
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