第三回 日直の時間

 今日は日直なので家を早く出た。

 日直はのその日の時間割を書いたり場合によっては先生からもらったプリントを配ったりと様々な仕事があるがあまり忙しくない。

 しかし日直は朝早く学校に行ってその日の準備をしなければならないので普段より早く登校しなければならないのが数少ない難点だ。

 しかし私は嫌いじゃない

 朝人が少ない静かなバスでラジオを聴く。

 これが私のひそかな楽しみだったりする。

「次は○○高校前。お降りの方はお知らせください。」

「もう学校なのね。」

 やっぱり木曜日のラジオは面白くすぐに学校についてします。

「急がないとクラスの人たちが前に仕事が終わらないわ」

 少し小走りで学校に向かいそのまま職員室で先生にプリントなどがないかをチェックしに行く。

「失礼します。涼風です。今日日直なのですが、プリントなのはありますか?」

「おはようございます涼風さん。今日はこのプリントだけだからあとで配ておいて。」

「わかりました、朝の時間に配っときますね。失礼しました。」

 意外と仕事が少なくてラッキーだなと思いながら教室に帰った。

「ん?教室に人がいる?」

 日直はたいがい朝が早いから同じ時間に人が来ることは少ないのだけど

「あれ?涼風さん?おはよう!」

「宮瀬さん?おはよう、朝早いのね。」

「最近朝早く来てこっそりここでラジオ聞いてるんだ。」

「そうなんだ。」

 まさかまた宮瀬さんと同じになるとは。

 そんなことより黒板の曜日と日にちを書かなければ。

「ねぇ涼風さんは水曜日のラジオ聞いてる?」

「え、水曜日のラジオ?うん、昨日の夜聞いたよ。」

「本当に!?私あの番組好きなんだよね。好きすぎてお便りも送ってるんだ。ちょっと恥ずかしいけど。」

「そうなんだ。ほんとに好きなんだねあの番組。」

「うん大好き。」

 宮瀬さんは本当にあの番組が好きなんだなとおもった。

 ん?待てよお便りを送っているっている、水曜日のラジオを聞いている、まさか

「ねえ、もしかしてだけど今回の番組にお便り送ってた?」

「あ、聞いてたんだ。はずかしいな。」

「なんか聞いたことあるお話だなと思ったんだけどあれ宮瀬さんだったんだね」

「うんそうなんだ。みんなには秘密だよ。」

「うん大丈夫。いわないから。」

 こんなこというわけない。話す相手がいないとかは言えない。

「私さ、ラジオしてみたいんだよね。声だけとお話だけでみんなを楽しませる。いい仕事だよね。仕事じゃなくてもラジオしてみたいんだよね。」

「いいんじゃないでしょうかしてみれば。面白いと思いますよ。」

 実際いいと思う宮瀬さんは人気者だし実際話が上手だ。

「ほんとに!?じゃあさ、一緒にしようよ涼風さん!」

「え?私?無理だよ私うまくしゃべれないし。第一どうやってするのよ。」

「え~いいじゃん。一緒にやろうよ。方法はあとから考えるからさ。」

 正直私もラジオはしてみたい。でも...

「私しゃべれないから、苦手なんだ喋るの」

 私は苦手なのだ喋るのがだからラジオを聞いて練習している。そんな私がラジオをしたところで

「え?涼風さん面白いじゃん、今実際私とこうやって喋ってるわけだし、案外ラジオなら喋れるかもよ。」

 そんなことを言われたって

「ね、やろうよラジオ!一緒に!」

 でも何か行動しないと成長できない

「うん、いいよ。一緒にやろうラジオ!」

「本当に!?やった!じゃあまたLINEするね」

「うん。」

 こうしてラジオをすることになったのだが

「どうやってするつもりだろうラジオ」

 不安なことばかりです。


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