月嫁

月嫁

むかしむかしいたうつくしいお姫様（ヒント：最古のキラキラネーム）

存在が実在になる花の名前を呼ぶように呼ばれてみれば

潔い肉体のおと わたしを生きるためわたしを奏でて暮らす

この紐はわたしとあなたを結ぶものではなく縛るものであるのに

誰のものにもならないことで私が私のものになるわけでもないし

神経衰弱もまともにできない人をあしらっていたらひとりだ

君がためではじまるうたの軽薄もさくらさくらさくらにながされて

愛されると居場所ができてもう水たまりは海にたどり着けない

いつだって雨が降ったらこの世すべてで打楽器になって応える

燃え殻に面影はないけれど燃え広がるそれをいいとおもった

灰になる覚悟で挑むそういった態度で愛を知りたかったな

どこにいても肩書きなんて変わらないままここにいる意味もないまま

笑ったり泣いたり怒ったりまばゆいお手玉だから終わっちゃうんだ

接点をもたない月が星座から逃れるように白く微笑む

いちばん近くて遠いからおだやかにすれ違うくらいがいいの

満ち欠けに翻弄されてゆっくりとただゆっくりと狂わされても

たわいもないたわむれでした心と心の往路には言葉があって

「悪夢だったでしょうと問われうんと答えるまで2秒もかかりましたよ」

わたしにはとびきりやさしい忘却の犠牲になった日々さようなら

それはそれは期待はずれな物語なみだを娯楽にしないでね ね？