25話中級怪人眠リ(序章)



雨男「……むリ!!……眠…!!」 

雨男は眠リと呼ばれる怪人の少女を起こそうと声を大きくして呼びかけ大きな体に触れる


眠リ「…んん?…雨…くん?夢?」

深い眠りの中で声が聞こえたのかまだ寝ぼけたようにそう呟く



兎丸「お!起きた!おはよ!!」


アリス「夕方だけどな」


雨男「夢じゃないっス!急に連絡が取れなくなったから探しにきたんだ!」


眠リ「…ほん、と?」


雨男「本当っス!アリスと兎丸も一緒に探してくれたんだ!」

雨男が紹介するようにアリスと兎丸を見た


眠リ「だ、れ?」


兎丸「初めまして!アンドロイドの兎丸とこっちはバディで人間のアリス君!!」

精一杯背伸びして顔を上に上げて挨拶する


アリス「どうも」


眠リ「アンドロ…イド?…」


兎丸「そう!でも!人間に悪いことしなかったら戦わないから!よろしくね!!」

精一杯安心させる言葉というには若干物騒だがそう言って小さな手を差し出す兎丸


眠リ「う…ん。」

眠りは大きな小指で小さな手に触れた



雨男「それで、なんでお前こんなところで隠れ住んでるんだ?連絡もないし」

一番気になっていたことを雨男は聞く


眠リ「……あの、ね….」

眠リはひどく怯えたようにポツポツと語り出した。




雨男が眠リと連絡が取れなくなった日


眠リはその日衛星:火蛋にいた

体が大きいことを役に立てたくてその星で手伝いをしていたところに



フードを被った怪人が仲間になれと声をかけてきたらしい。



それを断ったら人間の味方になるなら始末すると追いかけられて逃げ隠れたのが衛星:サワだったのだ。


逃げている最中に連絡手段も失ってしまい今に至る。



アリス「怪人が仲間集め…か。その怪人の見た目って分かるか?」


眠リ「ううん…フード深く被ってたから…少し包帯は見えたけど…」


アリス「そうか」

アリスは何かを考え込むようなそぶりで黙り込んだ。


兎丸「超危ないじゃん!!」



アリス「だから隠れてるんだろ」

兎丸の言葉に思わず突っ込む




雨男「俺ん家で匿うからこんなところから出るぞ?

ここ危ないし」


眠リ「でも、まだ元の体格に戻れないし…戻ってもいつ大きくなるか分からないよ?」


雨男「でも、ここには置いて行けない。

お前を勧誘してきた奴は断ったから追ってきたんだろ?


失念に追いかけてくることはないだろうが次見つかれば消されかねない


兎丸「うーん、困ったな…」


アリス「……なぁ、君が良ければだけど怪人研究所に行ってみないか?」


雨男「なっ!?」


眠リ「ふぇ!?」


兎丸「眠リちゃんなんも悪いことしてないよ??」


アリス「悪いことして入るのは怪人研究所の更生施設だろ?


じゃなくて怪人研究所そのものに行ってみないかって言ってるんだよ。


くるいさんに頼めば一人くらい預かってくれると思うぞ?


研究もしれるから大きさのコントロールのヒントもあるかもしれないし。」


兎丸「くるい君、怪人大好きど変態だよ?」


雨男「そんな奴のところに預けられない!!」


アリス「そこはちゃんと俺が話しつけるよ。

眠リに危害を加えるような実験はしないように。


まぁ、それでも研究の参考に色々聞かれたりするかもしれないけど…」


眠リ「…私、この力コントロールしたい…みんなに迷惑かけたくない…から、怪人研究所で頑張りたい…」

ぽつりぽつりと眠リはそう呟いた


アリス「なら決まり!すぐにくるいさんに連絡入れて迎えにきてもらおう。」


雨男「それ、俺も怪人研究所に行くことはできるか?


もちろん遊園地の仕事は続けるっス、けど俺も今よりも能力をコントロールできるなら

同じ怪人が襲ってきたらとっ捕まえてやるっス!あと、普通にそのくるいって奴のところに眠リ一人で行かせたくない」


アリス「はははっ…分かったお願いしてみる。」


アリスそう言って電話をかけた



電話に出たくるいに事情を話すと

とても嬉しそうに衛星:サワにすぐ向かうという連絡が来て


一時間後



くるい「すいません、お待たせいたしました!

怪人研究所所長のくるい・ことのえ と申します」

と雨男と眠リに名刺を渡した。



くるい「状況は先ほどアリスさんよりお聞きしてます!


実は我々、最近人間に友好的な怪人、お二人は知ってますよね?白狗君です、彼の研究を詳しくしてまして。


なんせ今まで研究所にいる怪人といえば人間を襲い宇宙征服を企む者ばかり、友好的な怪人はそもそも通報されませんから。

もちろん研究にも全然協力してくれませんでしたから肉体的な研究はあまり良い手とはいえませば強行突破してましたが


精神的な研究は心を開いてくれないとから進歩しなくて。


そこに白狗君という救戦士!!

ちなみに彼には更生施設を即時出てもらい今は研究所ないの宿に寝泊まりしてもらって時間がある時に研究にも付き合ってもらってます。


ちょうどそういった怪人が後、二、三人ほどいてデータを取らせてくれればと考えていたところで宿も開けていますので是非!!」


となんとも嬉しそうな早口でそう説明したくるい


雨男「……」

眠リ「……」

二人は唖然とした


兎丸「くるい君、いきなりエンジン全開すぎる」


くるい「おや?怖がらせてしまいましたか?

心配せずとも人間に危害を加えない怪人に無理矢理、嫌な実験はしませんよ??


更生施設にいる怪人は今まで人間を襲ってきた刑罰として実験は強制ですが。」


とケロッと言う


雨男「…そうっスか…ではよろしくお願いします…」


眠リ「お願いします」


と二人は1度目を合わせた後にそう言った



兎丸「とりあえず眠リちゃんの新しいお家も決まったし!


眠リちゃんを襲った怪人はアンドロイドの誰かがぶっ飛ばすから解決だね!!」



アリス「おい待て襲ってきた怪人への対処ガバガバじゃねぇか!」


兎丸「そう?」


アリス「そう!!」


くるい「まぁまぁ、アリスさんその怪人とやらも姿を現さなければアンドロイドも対処できませんし。

ひとまず全対宇宙怪人用アンドロイド機関に要警戒の連絡を私が入れておきましょう。」


アリス「うっ…そうですね(確かにくるいさんのいう通りだ。今は情報がなさすぎるし下手に探し回って刺激しても危険…か)」



アリスは渋々返事するのだった



兎丸「よし!そうと決まれば

せっかくみんないるんだしみんなで観光しよう!!!」


アリス「あのなぁ…くるいさんは仕事の途中だし、眠リだってまだ元に戻れてないんだから」


兎丸「え〜!!」



くるい「今日一日、くらいなら観光しても差し支えないですよ?

あと、ここに怪人と能力 力を一時的に使えなくなくする薬があるのですが試してみます?」


笑顔で懐から注射を出すくるい



兎丸「うわぁ、準備良〜。」


雨男「ちょっとまで!!一時的ってどれくらいだよ!?」


眠リ「そうですね個体差によりますが大体二十四時間前後ですね」



雨男「…それ、本当だろうか?一生とかじゃないだろうな??」

怪しい目で雨男を見る


くるい「絶対とは言い切れませんが今までの実験結果ではそうでしたよ?」


雨男「すごい怪しいセールスマンみたいっスけど!?」


眠リ「あの!私…みんなで観光…したいから…それ、打ちます…」


と眠リは恐る恐るくるいの持っている注射を指さした。



くるい「うんうん!何事にも挑戦するその姿勢素晴らしい!!では、腕をちょいと拝借しますね!!」


くるいはとてつもなく軽い返事で眠リの腕に注射を刺して投薬した


雨男「結構重要な薬品なのに全体的にノリが軽くない!?」


すると眠リの大きかった体はみるみる小さくなり


人間の子供と同じサイズになった


くるい「成功のようですね!」

とうれしそうに笑うくるい


眠リ「ほんと…!私、大きくならなくなってる…!」


アリス「兎丸よりちょい身長高いくらいか」


兎丸「アリス君??わざわざ私を比例に出すんじゃないよ??」


眠リ「えへへ、雨君!私もとのサイズに戻れたよ…!」


雨男「使えなくなっただけだろ?

まぁ、お前がいいならいいっスけど」



兎丸「よし!それでは気を取り直してみんなで観光!!」


アリス「は明日に持ち越しだな後一時間くらいで怪人所君は揺籠の中だし」


兎丸はアリスが腕時計を見ながら言ったセリフにその場でずっこけるのだった。



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