25話 旅行当日(序章)

 


宇宙歴4993年8月15日  13:04

惑星:地球 トーキョー 


衛星:サワ

に行くために大きな旅行鞄を持って駅に来ていた。



兎丸「旅行!旅行!」


宇宙列車がくるまでそのままピョンピョン跳ねる兎丸


アリス「……(あいつらはいないのか…兎丸の初めてのプライベート旅行だから尽きてきてもおかしくないと思ったんだが)」

あたりをキョロキョロするアリス


兎丸「?アリス君どしたの?あたりキョロキョロして、不審者みたいだよ?」


アリス「ウルセェ、お前のセコム(コウとイナズマ)が二人が来てないなと思っただけだよ」


兎丸「あー!コウくんとイナズマちゃんはねー」


______________________________________


遡ること2日前


宇宙歴4993年8月13日  

人工惑星:技術ノ星 どーるくらぶ



イナズマ「うぇーん。うさちゃんと旅行、行きたかったぁぁあ!依頼入ってるから行けないぃいいい〜。」




コウ「俺もだ…初のプライベートでの旅行、君が楽しむ姿をそばで見ていたかったんだが…実に心苦しい」



と露骨にどーるくらぶのカウンターで落ち込む二人



兎丸「そっか〜、残念だな。」



吟一「最近ずっとお二人とも忙しかったので

羽を伸ばしてきてくださいっすね?」


兎丸「うん!って、吟ちゃんいたの!?」


吟一「いたっすよ〜」






_____________________________________


兎丸「とこう言うことがあった!」


アリス「あ、そう、そりゃあ二人とも

(兎丸と)旅行に行けなくて残念だな…」


兎丸「ねー!代わりにいっぱいおみあげ買って帰ってあげるんだ!どーるくらぶ皆んなにも!」


と嬉しそうに言う兎丸。


兎丸「あ!駅弁もいっぱい買って行かなきゃ!」

兎丸はそう言って売店に駆け出した。


アリス「はいはい。電車来るまでに戻ってこいよ〜」



兎丸「はーい!」



______________30分後



列車が到着すると同時に大量の駅弁を抱えて兎丸は戻ってきた



アリス「相変わらずよく食べる」


兎丸「んふふふ、駅弁は旅のダイゴミ?でしよ!」


アリス「意味分かってないのに使うな。」


と話しながら宇宙列車に乗り込む


アリス「おぉ!さすが福引の一等だな。

列車も個室のあるのだし。」


個室の一つを開けると真っ先に飛び込んで


兎丸「うわーい!ソファもふかふかだよ!!」

そう言う兎丸


アリス「とりあえず弁当、おけ危ないから」

兎丸から駅弁を乗って窓際の棚に載せる。


兎丸「部屋見たから次は列車の中、探検だ!」


アリス「おい、いくらなんでも列車だからうろちょろしてると人にぶつかって危ない…」


とアリスの静止も聞かずに扉の外に再び出ようとした

 

時だった



??「うおっ!」


兎丸「ぎゃびっ!」


アリスが言い切る前に誰かとぶつかった兎丸


兎丸「うぐっ、ご、ごめんなさ…!」


??「いや、こっちこそ部屋探してよそ見してたか…!!」


兎丸とアリスはぶつかった人物を見て固まった


兎丸「あれ!?雨ちゃんだ!!」


アリス「本当だ!」


雨ちゃんこと雨男は以前、遊園地をハイジャックして兎丸とアリスにコテンパンにやられて反省して今はその遊園地で働いている中級の怪人だ


雨「兎丸にアリス!?なんで!?」


兎丸「金玉当てたから旅行!!」

とんでもない省略した兎丸に


雨男「なんて!?」

雨男は思わず突っ込んだ


アリス「…とりあえず、中入って話そう」



一度、兎丸とアリスの個室に入り

アリスは兎丸の言葉を1から説明して誤解を解いた


雨男「そうなんスね。福引で旅行に」


兎丸「うん!雨ちゃんはなんで?」


雨男「え…あ、まぁ、旅行スかね?」


兎丸「一人で?行き先おんなじなら私たちと一緒にする?」


雨男「いや、遠慮するっス…せっかくの家族旅行?みたいなもんなのに俺が入ったら邪魔だし。」


兎丸「全然大丈夫だよ?遊園地遊びに行った時にいっつも相手してくれるし!

ね?アリス君!!」


アリス「そうだぞ?遠慮しなくても」


雨男「いやいやいやほんと!あの…えーと!あの…!」

全力で首を横に振る


アリス「?もしかしてなんかあったのか?」


雨男「うぇへ!?!!」

変な声を上げる雨男


兎丸「そなの!?」


アリス「別に無理に教えて欲しいとは思わないけど。」



雨男「…………………」



雨男「…………実は…」

雨男はしばらく黙り込んでいたがいよいよ口を開いた


雨男「俺の友人が一人、音信不通になってて。

最後に連絡が来た時は衛星:サワにいると言っていたので探しに」


アリス「それって怪人か?もしかして退治されたとか?…」


雨男「否、怪人なのは確かっスけど。

俺と違って人間への一方的なそこまで悪意も強くないし引っ込み思案で泣き虫だから人間に攻撃することはまずないだろうし。

そうなると攻撃しない怪人を人間とかアンドロイドが退治することもないから退治されたっているのはあり得ないんす…」


兎丸「だよねぇ…」


アリス「それは確かに…心配になるな」


兎丸「私たちも探すのに手伝う!ね?アリス君!!」


雨男「え!?でも、お前ら休みで旅行に」


アリス「困った時はお互い様だろ?」


雨男「…じゃあ…頼む…」


雨男も気が気ではなかったらしく1分でも1秒でも早く見つかるならと二人に頭を下げた。



アリス「よしっ!そうと決まればその怪人の容姿とあと居そうな場所を教えてくれるか?

探す時に必要だし」


雨男「あぁ、基本的には他の怪人と同じ尖った耳に黒い眼球角膜に赤い瞳。容姿は幼めで白髪、白い鳥の面を被っているっス」


アリス「なるほど…」

アリスは雨男の言葉を簡潔にまとめてメモをとる


雨男「居そうな場所はー、人とか動物がいなくて広い場所だな。」


兎丸「?なんで?」


雨男「あいつの能力は巨大化なんだけど、うまくコントロールできないみたいで急にデカくなったり元に戻ったりするから、あんまり人がいるところには行かないんだ。」



兎丸「巨大化!?すごーい!!ますます会いたくなってきた!!」

兎丸は目を輝かさながらそう言った。


と同時くらいに惑星:サワへと列車が到着するのだった。

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