19話コウというアンドロイド


怪人達が去った後しばらくしてからハッとしたアリスは



閃光が飛び交った方向を見ていた



林檎「あのレーザービーム



…おい、おみゃー(兎丸)はあのやろーがくるって知ってただぎぃ?」


兎丸「全然、知ってたら最初から連れて来てるよ」


そう力なく話す二人に


アリス「?今の攻撃したやつお前らの知り合いなのか!?」

アリスは驚きながら問いかける


兎丸「コウくんだよ。」


アリス「コウクン…ってまさか!?」


兎丸「そう、我らがどーるくらぶに所属しててアンドロイドランキング1位の」


アリス「怪人の巣窟半分ぶった切っちゃったよ??」


林檎「当たり前だぎぃ………

普通アンドロイドのランキングってのは一月の活躍度、人間からの支持率及び知名度

そして戦闘能力の高さ

まぁ、この三つの総合で大体決まるんだぎぃが


コウはな。メディアに露出することもなく淡々と人知れず怪人を倒していくから

ほぼ戦闘能力の高さのみで一位の座に君臨しているんだぎぃ


まさに最強のアンドロイド」



アリス「マジか…」


林檎「たしか…孤高で傲慢で群れることしない。


海外ではjust one knightsってあだ名で呼ばれてるだぎぃな…癪だぁ!!」

と歯軋りする林檎



アリス「just one knights……たった1人の騎士団。」

 

アリスがそう呟いた時だった。


足音と共に深い緑色の髪と灰色の瞳を持つ軍服の青年が髪を風に靡かせて迷宮の切り口から顔をのぞかせるのだ。


コウ「ふん、軽口を叩けているようで何よりだ。」


コウは無表情のままそう言って横たわっている林檎を通り過ぎると


林檎「うるせぇだぎぃ!」


同じく横たわっている兎丸の元で立ち止まった



兎丸「……」


コウ「……」


お互いの視線が交わる


アリス「(…なんか。性格的に兎丸と合わなそうだよな….大丈夫なのか?)」


アリスは二人を見守るが気が気ではない


するとコウは膝をつきしゃがみ込み


兎丸の頭を抱え上げると


コウ「…破損はないか?

君の以前可愛いと言っていたマカロンを持って来た?食べれるか?」

ととんでもなく優しい表情でそう言った



アリス「ん????」


兎丸「コウくん、あの持って来てくれたのは嬉しいんだけど

イナズマちゃんとドーラちゃんのエネルギー補給が最優先で林檎くんと

他のところにも別の倶楽部のアンドロイドが………もぐもぐもぐ」

兎丸が最後まで言い切る前にコウはマカロンを兎丸に食べさせた


コウ「 心配しなくても奴らのエネルギーも持って来ている。

しかし俺はいつでも妹である、君が優先だ」


アリス「んん???ココウ?ゴウマン?ムレナイ?…」

今の光景に先ほど受けた林檎からのコウのイメージが総崩れすらアリス



コウ「…!」

カタコトで話すアリスにコウが気づくと


コウ「……貴様か、可愛いくて尊い我が妹と同居しているという人間は?


妹が今の環境を望んでいるのなら何も言わんがもし下心を少しでも持ってみろ貴様を切り刻んでサメの餌にでもしてやる」


そう睨む


アリス「……へ?い、妹!?兎丸が!?」


林檎「あ、言い忘れてた…確かにそういつは孤高だぎぃが。重度のシスコンだぎぃ」


アリス「あ….そう…」



兎丸「復活!!」

兎丸はコウからのマカロンを全て食べ切りそう言った。


___________________________________


その後、イナズマにもドーラにもそして林檎にもエネルギーを補給し終わる



ドーラ「みんなごめんなさいね。迷惑をかけちゃったみたいで。」

目が覚めたらドーラは林檎から借りた服を着てそういう。


アリス「無事でよかったです。」


イナズマ「うさちゃん!僕を助けにきてくれたんだね!!ありがとう好き!」

イナズマも兎丸から借りた服をきてそう言っだあとに兎丸を抱きしめた



兎丸「助けに来たのはあってるけど…実際に助けたのは林檎くんだよ?」


イナズマ「…….」

イナズマは一度兎丸から離れるの


イナズマ「助けてくれたんだって?感謝する」

林檎に近づきそう言った


林檎「態度が違いすぎるだぎぃ!!

てか、わーは別におミャーたちを助けようとは微塵も思ってなかっただぎぃ見捨てる気満々だったし


兎丸のヤローが助けろって念押しするから仕方なくだぎゃ」

林檎は真顔で言うものだから本心であろう



イナズマ「じゃあやっぱりうさちゃんが僕を助けてくれたんだね!すきぃ!」

イナズマは林檎の言葉を最後まで聞かないまま再び兎丸に抱きついが


兎丸「えへへ〜」 



コウ「離れろゲスめ」



とコウが引き剥がす


イナズマ「なんでお前までいるのさ!」


コウ「依頼が早く終わって帰って来たら吟一に即刻ここに援護に行くように頼まれたのだ。」


イナズマ「あっそ!!」


コウ「近くに宇宙列車が2台きている一つは生き残った人間用。


もう一つは虫の息の怪人どもと他の倶楽部のアンドロイド用だそれに乗せて帰る。


さぁいこう?」

そう言ってコウは兎丸をお姫様抱っこするため進みました。


兎丸「ちょいちょいちょい!生き残った人たちってどこにいるの?」


兎丸の問いかけに


アリス「地下だよ。シスターラビリンスがそう言ってた。」


アリスが答えた。


ドーラ「なら早く助けてあげなくちゃね!

他のアンドロイドももちろん!」



兎丸「そうだよ!だらおろして!」

兎丸はそう言ってコウの腕から飛び降りた。


コウ「君がいうならそうしよう」

とコウは平然というのだった。

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