15話 (2日目)女装と学院

宇宙歴4339年 5月3日  5:14

小惑星:ダリア

首都:ユリの都 ホタルソウ404号室




兎丸「…………」


アリス「……………」


兎丸「…………」


アリス「….お願いだから何か言って」


長髪のウィッグをかぶりワンピースを来て仁王立ちするアリスは沈黙に耐えられずにそう言った。


兎丸「うん、思ったより似合ってなかった。」


アリス「傷つく!!」


兎丸「何か言えって言ったのアリス君じゃん。

ほれ?見てみ?」

そう言って兎丸は鏡をアリスに見せた


アリス「下手すりゃ不審者じゃねぇか!!」

思わずウィッグを投げ捨てるアリス


兎丸「こーゆーのってなんだかんだ女の子に見える!!みたいなパターンが多いんだけど」


アリス「俺には俺が無理やり女の子のふりをしてるようにしか見えない」



兎丸「そもそもがtheッオス!!って感じだからねぇ」


兎丸はアリスの筋肉質な体を見ながらそう言った


アリス「そりゃそうだろ俺は心も体もしっかりかっこいい男だからな!!」


兎丸「うーん…お化粧とかしてみる??」


アリス「え?持ってるの?」


兎丸「うん!パッケージが可愛くてつい買っちゃうんだよね。


とりあえずやってみよう!」




こうしてダメ元で化粧をしてみることになったアリス



______________数分後



アリス「……」


兎丸「……」


アリス「……」


兎丸「……ダメだ私お化粧の道具持ってるけどやり方あんまり知らないもん」


アリス「先に言えよ!!自信満々だからお願いしたのにかっこいい俺の顔面軽くホラーだぞ!?」


アリスは厚化粧でもはや何かのバケモノのである自分の顔を指差してそう言った。



アリス「メイク動画見ながら自分でするから道具だけ使わせてもらうぞ?」



兎丸「うん、私もアリス君が自分で調べながらやった方がいい気がする。」


アリス「お前なぁ….」


一度化粧を落としながらそういうアリス


兎丸「代わりにストッキングとなんか羽織る物買ってくる!


そしたらもう少しその筋肉ゴリラ感が薄れるかも」


アリス「……頼む。」


こうして全力で女性に近づけるアリスであった。


___________________________________


切磋琢磨して2時間後


アリス「…どうだろうか」


兎丸「うん。まぁギリガタイのいいお姉さん」


アリス「まだマシか?」


兎丸「うん、まだマシ」


もはや妥協でしつつなんとか女性に見えると言った感じだがそろそろアリスは受験会場に向かはないとダメなのでこれ完成とすることにした2人


アリス「あとは歩き方とかを注意して行くしかないな」


兎丸「頑張って!!色んな意味で!」


アリス「はいはい。お前はあんまりはしゃぎすぎるなよ?」


兎丸「はぁい!!」


こうしてアリスは受験すべくサファルファ学院へと向かうのだった。


___________________________________

首都:ユリの都 ブルーアルストロメリア学院



アリスはブルーアルストロメリア学院の門の前で目を瞑り大きく深呼吸をした。



アリス「(正直、入試は大丈夫。問題ない。)」

心の中でそう言い聞かせていると再び目を開ける



??「総合学部の編入試験を受けられる方ですか?」


そんなアリスに1人の青年が声をかけた。


アリス「は、はい、アリス・フワともうします。……これ、受験票です。」

アリスはできるだけ高い声で返事をしてあらかじめアイアンの部下が準備したであろう受験票を見せた。


??「…ふむ、かしこまりました。

私は今回の入試の試験管のピーター・アニマートと申します。


こちらのネームホルダーに受験票を入れて胸におつけください」


ピーターはそう言ってネームプレートをアリスに手渡す


アリス「はい。ありがとうございます」


ピーターはアリスがネームプレートを装着したのを確認すると


ピーター「では試験会場へご案内します。」


そう言って歩き出した。



ピーターに案内されたのはおそらく本校舎から離れた別のプレハブのようなもので


そこにはもうすでに何人かの受験者が来ていた。


アリス「(流石に編入試験受けるのは俺だけか。)」


アリスは目だけであたりを見回す


ピーター「お好きな席にかけて受験開始までお待ちください。」


アリス「はい」

アリスは言われた通り好きな席に腰をかけた。


___________________________________


それから4時間後


ようやく全てテストが終わりアリスはフゥとその場でため息を吐いた。



ピーター「それでは採点してきますのでここでお待ちください。」


アリスがテストをしている間ずっとその場にいたピーターはテストをまとめるとそう言ってプレハブから出ていった。



アリス「(入校したらどこから探ろうか…とりあえず行方不明者について聞いてみるか?)」


アリスは入校したと確信したようで

次のことを考える。



しばらくほんの数十分して

ピーターアが戻ってくる。


ピーター「アリス・フワさんおめでとうございます。合格です。……テストは全て満点でした。

本日の午後より指定の教室で授業を受けていただきます。」


そう言って学校のパンフレットをアリスに渡した。


ピーター「制服は編入試験希望の電話をしていただいた時にサイズをお聞きしたものをご用意したのですが合わなければおっしゃってください。」



アリス「わ、かりました。」


アリスはピーターなら渡された女子生徒の制服を渡されてそういえば今自分は女装してたんだと思いました。


ピーター「では着替えが終わったらお声がけください校内をご案内します。荷物もご一緒に持ってきてくださいね。」


アリス「はい」


ピーターはそう言って再びプレハブの外へと出ていった。

____________________________



アリス「……………」

アリスは再び制服としばらく睨めっこした後に

来ている服を脱いで制服を着た。


アリス「………人を騙してこれ着てるってもはや事案では?」


近くにあった姿見に映る自身の制服姿を見て思わず1人でつぶやく



_____________________

着替え終わりアリスは外で待っているピーターに声をかけた


アリス「お待たせしました。」

できるだけお淑やかな仕草を心がけながら


ピーター「では、参りましょう。」

ピーターはそれだけ言うと校内を案内し始めた。



体育館、美術室、音楽室、職員室、家庭科調理室、化学実験室、保健室、更衣室、視聴覚室、学院長室、会議室、図書室、お手洗い、学食、講義をするための教室が数えきれないほど



などなど他にも設備が整い綺麗な校内を案内される



廊下の窓から説明された校庭も広く綺麗に整備されていた 



そして11歳〜27歳までの天才達が集うクラスを案内される


ピーター「ブルーアルストロメリア学院は11歳から27歳までの生徒がいて

専攻する学部とテストの成績によって受けれる授業は変わります。

アリスさんは総合学部ですね。


講義室も授業によって異なりますので


アリスさん専用の授業と教室のデータ組み込んでいるタブレット端末をご利用ください。

毎月更新されますので。サークルなどはご自由に入ってもらって大丈夫です。」


アリス「分かりました」

アリスはそう言って端末を受け取った


そして自身の入った総合学部を入れた

全部で50分野の専攻があることを頭に入れていると。



ピーター「…そろそろ午前の授業が全て終了しますので

一度休憩としましょう。

食事は用意がなければ先ほどご案内した学食で召し上がってください。

全て無料ですので」


アリス「ありがとうございます。そうします。」



ピーター「はい。授業には本日のお昼より参加できますので昼休憩の終わる14時までにはあ授業表に書いてある教室へ。」


アリス「はい。」


ピーター「では、失礼します」


ピーターはそういうとスタスタと廊下を歩いて消えていった。



アリスはそれを見送ると学食へと足を進めるのだった。



____________________________

ブルーアルストロメリア学院 学食


アリスが他の生徒よりも一足先に食事をとっていると授業が終わり昼休憩に来た生徒達が続々を学食に姿を現せ始めた。



自分が男であることがバレないか不安でご飯が喉を通らないと思いきや

世界中から学生が集まるだけあって大人数


目立つことはほぼない。


この中には入校以来話したこともないなんてこともザラだろう


おそらく自身が編入生であることも気づかれていないのだろうと再び食事に集中する


するのアリスの座っていた席の向かい側の席に

持ってきた食事を置いて



??「あの、ご一緒してもいい?」


と金髪の女性がアリスに声をかけた


アリス「ど、どうぞ?」

甲高い声でアリスはそういうと金髪の女性はありがとうと言いながら席に座る


??「ねぇ、あなたもしかしてもしかしなくても編入生よね???地球人?、」

鈴のような声でアリスに問いかける


アリス「はい、アリス・フワです。」


??「やっぱりそうなのね!私はベロ・フォルテ。この星生まれのダリア星人よろしくね?」

嬉しそうに手を合わせて微笑む少女


アリス「えぇ、よろしくフォルテさん。

こんな大勢生徒がいるのにお、…わ、たしな編入生だってよくわかったね。」



ベロ「ベロでいいわよ?

貴方が編入試生用のプレハブに入っていくのが見えたのよ。


今日は私、プレハブ小屋のある中庭に面する窓側の席にいたから」


アリス「なるほど(行方不明者の事この子に聞いてみるか?)」



ベロ「学部は?」


アリス「総合学部」


ベロ「そうなのね!総合学部のテスト難しかったでしょ??



私は医学部だけれど何か分からないことがあればいつでも聞いて?

力になれることは喜んで協力するわ!」


アリス「ありがとう。なら早速一つ……」


と言った時だったアリスのスマホにメールが届いた音がした。


アリス「ごめん。ちょっと待ってね。(……兎丸からのメール着信??

緊急なら電話してくるだろうし。なんだろ?)」

アリスは一言言ってメールを確認した。



アリスは顔を顰めて思わず携帯を握りつ無事そうになる。


そこには兎丸が美味しそうなものを大量に持って自撮りした写真があった。


メッセージには〈美味しい食べ物の出店がいっぱいあったからお昼はここら辺で食べたよ!アリス君は学食とかがあるのかな?

私も学院に入れる許可が出ればそこで食べてみたい!!〉だと。


アリス「(あのにゃろ。完全に遊んどる。)」


アリスはとりあえず

兎丸のメールに返信した。

〈楽しそうでなによりだ。

こっちは無事合格できて学食でご飯食べてます。

あんまりはしゃぎすぎて目立つなよ??


あ、あと仕事できてるんだからな??忘れてる訳ないよな??〉

メッセージを送信した後


ベロ「どうしたの?」


アリス「い、いや、ちょっとメールが来てて。

もう大丈夫。」


兎丸からのメールを着信拒否にした。


ベロ「そう?それで、聞きたいことって?」


アリス「あー、えっと…この学院の中で最近行方不明者が出てるって噂を聞いてそれが少し心配なの。」


ベロ「そう。私も身近でなった人はいないから噂程度なんだけれど。」



アリス「噂でも!知ってる事ならなんでもいいか教えて!」

アリスは身を乗り出す。


ベロ「え、えぇ先生達はね?行方不明になった子達は学校の中じゃなくて自主退学して学校を出てから姿を消したんだっていうの。


けれどみんな自主退学するそぶりなんて微塵もなかったと聞くわ。


自主退学していなくなる直前まで次

の小テストの話したり

次の授業で準備するものの話してたらしいし。 


なりより誰も退学した子が学校外に出たところを見ていないのよ?」



ベロはアリスの勢いに押されてそういう


アリス「(なるほど…お城で聞いた話を踏まえると。


なんらかの方法で生徒を自主退学をさせて。その生徒が学院内で消えたことを否定する材料にし。国からの強制的な監視を逃れ


学院に潜んでいる怪人はまんまと攫ったわけだ。


洗脳系か、ピンポイントの人間の真似事をできる奴か……もしくは….)」


アリスは顎に手を当てて考える。


ベロ「先生達は学校内は安全だって言い切ってるからみんな半信半疑なのだけれどやっぱり怖いわよねぇ。」


2人は昼食を進めながらも会話を続ける。


アリス「…そう……


……ねぇ?行方不明になってる子達って何か共通点とかはなかったかしら?」


ベロ「?」

探るようなことを聞くアリスに思わずハテナを浮かべるベロ


アリス「あー…ほらもし

それに、当てはまってたら怖いから。ね?」 


アリスは苦し紛れの嘘をつく


ベロ「そうよね。変な噂があると入学できたのに不安よね。



共通点なんて考えたこともなかったけど


えーと、確か年齢や性別や学部はまちまちだったはず。


でも、なんというか

モテる子?とか世間一般的に見た美人だって言われてた人が多いかも。


芸能モデル学部の子が一番多いのもそのせいかしら?」


アリス「(…怪人はルッキズムの権化かなんかか??俺も気をつけねば。)

教えてくれて、ありがとう。」


アリスはまた少し考えた後


ベロにそう礼を言い昼食も食べ終わった頃に

昼休みが終わる10分前の予鈴がなった


ベロ「あら、もう時間ね?途中まで一緒に行きましょ?」


アリス「うん。」


2人は学食を出て廊下を歩く。


アリス「アリスさんは初めての授業よね??」


アリス「あぁ、総合学部Aの講義室で国際経済の授業の予定よ。」



ベロ「そう?場所は分かる?」


アリス「大丈夫。さっき先生に案内してもらったから。」


ベロ「一度の案内で覚えるなんて記憶力いいのね!?

さすがこの学院の中で最も難関だと言われる総合学部に編入するだけあるわ!


アリスさんってもしかして学院の行方不明の謎を解くために潜入調査してる探偵さんだったりして?」


アリス「あ、あはは…そ、そんな訳ないじゃない。


(テストでケアレスミスしたり天然なふりしたりするべきだったか??)」


アリスは半分正解していそうなベロの言葉に思わず冷や汗をかくのだった。


ベロ「そうよね。

じゃあ私はこっちの講義室だから!

また会いましょ!」


アリス「えぇ。」


ベロと別れてアリスは抗議に向かうのだった。

___________________________________



講義中

教授「ここはそうであるからして〜」


アリスは本で読んだり何年も前に自分で調べた授業を聞きながら頬杖をつく。


休み時間


生徒1「行方不明者の情報ねぇ。悪けど俺も噂でしか聞いたことないからなぁ」



生徒2「行方不明者が出だしてから何か変わったこと?」


生徒3「さぁ?あ、それと関係あるか分からないけどここの学院長のことで

最近午後からの出勤しかしていないのよ。

前は午前中から来てたのに。

お陰で学院長に用事のある生徒も先生も困ってて


午後出勤になったのが確か行方不明者がで始めた頃とおんなじだったと思うわ!」


休み時間は生徒に聞き込みをするのくり帰り。


数時間 




本日の講義が全て終了してひと息をしたアリス


アリス「(休み時間に行方不明者の事当たり障りなく聞いてみたけど

生徒からの目新しい情報はなかったな。……教師は正直生徒らに言い訳してる時点で信用できないから聞くのはちょっと危ない気もするし。)」


怪人に繋がる決定体的な話はなく最先が不安になったがとりあえず一息ついて



着信拒否していたメールを解除した。

すると兎丸からの大量のメールが届いていた。


全て写真と一言メッセージが書かれてある。


一件一件確認していく。


可愛いぬいぐるみを買った写真+

〈ここのぬいぐるみ目がキラキラしてて可愛い!〉



街中での写真+

〈怪人が出たって言ってたから来てみた場所なんだけど見に来たらもう処理されてていなかった!


この国のアンドロイドにも会えなかった!〉


フラワーズブリッジでの写真+

〈観光スポット調べたら出てきたところにきたよ!!木の根っこと土とお花でできた橋だって!カラフルで可愛いかった!アリス君も後で一緒に行こうね!〉




ショッピングモールでの写真+

〈お持ち帰りできる美味しそうなものいっぱい売ってたからアリス君に帰って帰るね!

人間はお勉強すると甘いものが欲しくなるって聞いたことあるから!〉



アリス「(仕事だって釘うっといたのに満喫しまくってるじゃねぇか。…ったく。)」

自由奔放な兎丸に怒りを通り越して呆れつつ楽しそうにはしゃぐ兎丸に思わず笑みが溢れた。


メールを一通り確認し終わり


〈とりあえず授業は終わったよ。〉

と返信をして講義室を出た。


アリス「(放課後はみんなサークル活動か。

…人をバレないように攫うなら人が少ない時間帯…早朝か。もしくは学院が閉まる直前か。


たしかこの学院が開いているのは

早朝6時から夜9時まで…)」


周りでサークル活動を始めている人を見ながら

アリスは考える。


すると


ピーター「アリスさん。」


試験管だったピーター


アリス「あぁ、えーと…こんにちはピーターさん。」


ピーター「えぇ、こんにちは。

今からお時間ありますか?

午後から学院長が出勤していらっしゃいますのでアリスさんのご挨拶をと思いまして」


アリス「あ、はい!挨拶しに行きます!」


ピーター「ではご案内します。」


アリスはピーターの後ろをついていく。


しばらく歩くと学院長室に到着した。


ピーター「…スリープソプラ学院長。ピーターです。」

扉を軽くノックした後ピーターはそう言った。


スリープ「入ってください。」

しばらくするとそう声が聞こえたので

ピーターとアリスは「失礼します」と言いながら学院長室に入る。


___________________________________

ブルーアルストロメリア学院 学院長室



ピーター「私は案内までですのでこれで失礼します。」


スリープ「ご苦労だった。」


アリス「ありがとうございました。」


ピーターはスタスタと次の仕事に戻って行った。


スリープ「…初めまして。まずはご入学おめでとう アリス・フワ。


私は、サファルファ学院の学院長を務めております。スリープソプラです。」


アリス「ありがとうございます。」


スリープ「…学院の規則などはピーターから渡された制服や教科と一緒に入っているから説明の必要はないだろう。


私も特に何か言うこともないが何か質問や疑問はあるかい?」


アリス「…いいえ。まだ半日ではありますがとても素敵な学院に入学できて嬉しいです。」

アリスはそう言ってお世辞のような笑顔で対応した。



話はあっさり終わってアリスは学院長室を後にした。

__________________________

ブルーアルストロメリア学院 廊下


アリス「……ふぅ、やっぱりあーゆー場での挨拶って緊張するな。」


と部屋を出て胸を撫で下ろしたアリスの元に


ベロ「アリスさん!」

ベロがアリスを見つけて声をかけた


アリス「フォルテさん。お昼ぶりね。」


ベロ「えぇ!初めての授業はどうだった?」


アリス「問題なかったわ。ところでフォルテさんは何かサークルに入っているの??」


ベロ「いいえ、私は放課後、学院が閉まるギリギリまで図書室で医学書読んだり勉強するわ、

家だとサボっちゃうから。

今日もそのつもり。」


アリス「そう。学院が閉まる直前まで生徒って結構いるの?」


ベロ「そうねぇ。サークルの活動時間が長いところとか私みたいに図書室を利用する人は結構いるかも。」


アリス「(ってことはその逆も然りか?

朝早くに活動するサークル。放課後ではなく朝早く来て図書室を利用する者。)…そう。」


ベロ「アリスさんはサークル入らないの?」


アリス「あぁ、入らない…わ。」


ベロ「そうなの?じゃあ今日はこれでお別れね。また明日会いましょ!」


アリス「えぇ、また明日。(初日からいきなり学院が閉まるまでうろちょろしてたら流石に怪しまれそうだし今日は帰るか。)」


アリスはベロに別れの挨拶を済ませて学院を出ると兎丸に帰宅のメールをして


止まっているホテルへと足を進めた。







___________________________________

首都:ユリの都 ホタルソウ404号室


アリス「ただいま。」


アリスが無事帰宅?すると

兎丸が駆け寄ってくる


兎丸「アリスくん!おかえり!学校どうだった?お友達できた?男だってバレなかった??」


アリス「あのなぁ遊びに行ってる訳でも純粋に学院に通ってるわねでもないんだってば。


あ、まぁでも1人親しくしてくれる女の子ができた。 行方不明者の噂もその子含め他の生徒からそれなりに聞けたし。


男バレは……多分してない。」


兎丸「マジか!んでんで?なんか手掛かりあった?」


アリス「いや、正直全然。

……ただ、この学校の学院長と帰りに話したんだけど…なんかこう、人間っぽくないって言うか。いや、まぁ見た目は人間なんだけど

無機質な何かと話してる感じがしたのは気になった。


他の生徒や先生に学院長のこと聞いたけど前からあんな感じの事務的な人だって言ってたから俺の考えすぎかもしれないけど。」


兎丸「そっか!まぁ、まだ時間はあるし大丈夫だよ!あ!お菓子食べるでしょ?」


アリス「うん。」


兎丸「じゃあ食べやすいようにお皿にもってくる!」


アリス「俺はアイアンさんに報告の電話入れてくる」


兎丸「はぁーい!」


兎丸がルンルンでお菓子をお皿に移している間に


アリス【もしもし、譜和アリスです。】


アリスはアイアンにひとまず編入は出来たことと手がかりがまだ薄いことを報告した。


アイアン【そうですか。では引き続き明日も調査の程をよろしくお願いします。】


簡単に会話を済ませて電話を切ることには兎丸がリビングにお菓子を持ってきていたのでそれを頬張る。


アリス「おぉ、上手いなこれ」


兎丸「でしょ?でしょ?」


アリス「あ、てかお前あのメール!」


兎丸「どのメール?」


アリス「全部だよ全部。完全に満喫してるじゃねぇか!」


兎丸「うん!だって暇なんだもん。

明日はねこの国のヒューマノイドをちゃんと探してみようと思ってるんだ!」


アリス「たくっ…でもまぁ、それはいいかも。もし学院内に怪人がいて協力することになったら時にお互いのこと知っておいた方がいいだろうし。」


兎丸「うん!ところで今日のご飯は?

なんか材料買ってきて私が作ろうか?」


アリス「俺を労ってのことだろうけどお前1人で作るとなんか知らんが失敗するから却下。

てか、お菓子散々食ってたろ。」


兎丸「それはそれー、これはこれー」


アリス「はいはい、今から買って作ると遅くなるしデリバリーピザでも頼むから届く前に風呂入っておいで」


兎丸「はぁーい!」

兎丸はすごいスピードで浴室へと向かった


と思えばひょっこり顔を出して


兎丸「アリス君!制服もあんまり似合ってないね!」

というのだった。


アリス「うっせ!俺も思ったわ!……俺も着替えよ…後化粧も落とすか….」


こうして怒涛の出張2日目は終わるのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る