2-1 転生って大概、現世から不幸な人が多いよね
皆さまこんにちは、司会天使のパプリエルです。
本日も異世界転移転生で起きた失敗談を取り上げ、皆様にお伝えしようと思います。
と、その前に。
ワタクシについて知りたいというご要望がありましたので、簡単に説明したいと思います。
ワタクシ、パプリエル=アレ=プラエッチャは創世界行政府、興行促進委員会広報課に務める一般事務天使です。
それがこのたび元締めである
年齢は地球暦で言う所の永遠の一八歳。(真の意味で)
二等天使の資格を有し、生後二歳より創世界に奉仕させて頂いております。
子役として人間の子供と犬を天に召す役目を担った事と、とある銀河系で赤と銀の巨人との対戦役を演じた経歴あり。
以上から、いたって普通の天使です。
では紹介が終わった所で早速、次の失敗ケースを紹介したいと思います。
今回お送りするのは異世界転生。
ただし生誕からの、ではなく元の肉体を再構築してからスタートの転生です。
この形式が目立ち始めたのは比較的最近の事。
それと同時に、異世界転生ブームのキッカケとも言われています。
かの有名な『トラックに追突されて世界転生』。
このフレーズも『肉体ごと転生』形式に則って謳われ始めたそうな。
そのコンセプトは、元の知識や身体を維持したまま別の世界に行かせたいから。
ある程度前世に未練がありつつもお亡くなりになった方が転生対象となっている訳ですね。
なので転移と転生の両方の特性を重ね揃えていると言えるでしょう。
広まらないとは思いますが、転生というより異世界転行と言った方が
一方で、現状では「顔や身体だけ造り変えて」という転生もあるらしいですね。
コンプレックスを除去したいという欲望丸見えです。
ただ、これはある意味では正解ですが。
通常の転移と違い、現地の生態にこっそり合わせる事が出来ますから。
第一話にあった悲劇もこれで回避出来るでしょう。
――なのですが。
なんだ、知らんのか? 失敗談からは逃げられない。
どのようなケースでも失敗はつきものです。
その失敗を乗り越えられなければ成功者にはなれないでしょう。
神がよほど有能で、全ての失敗を失くせるならば話は別ですが。
では今回はその並いる失敗に呑まれてしまった方を紹介いたします。
現在も現地で活動中の
「ちーっす! 今日はよろしくおなしゃーす!」
なかなかお元気な方ですね。
もしかして結構遊んでいる方です?
「いやいや、ただバカなだけっス。もう色々遭った後なんで、今は勢い大事かなって思ってて。なっははは!!」
そうでしたね。確かに開き直るしかないのかもしれません。
何せ一斗さん程の境遇もなかなかありませんから。
転生ですので元の世界に帰る選択肢は当然ありません。
元の世界では死んだ事になっているからです。
なので残念な世界で生き続けなければならないという。
となればこうして明るく生きる事しか出来ないのでしょう。ポジティブシンキング、大事ですね。
「これでも昔は色々思い悩んだんスけどねー。でももうどうしようもないし。だったらもう諦めてさっさと楽になろうと思って今みたいになっちゃったの」
今は考える時間がありますからね。
そういう意味では、学校やら仕事に縛られた前世よりは気楽なのかもしれません。
「ぶっちゃけ、そういう縛りが今は恋しいけどね。そのしがらみからもほぼ強制的に排除されたクチなんで。憧れとか色々募ってます。青春時代みたいな?」
さすが、転生対象となっただけあって心残りがハッキリしてますね。
一斗さんはとある事情で高校生活から強制ドロップアウトされた身です。
そのほか色々とドロップアウトし続けた結果、人生からも飛び出しちゃった訳ですね。
それまでは普通の人間で、普通に親がいて普通に過ごせて不自由はそれほど無かったそうな。
「まぁ普通ってよりも少し裕福かな? 当時は俺がニート出来るくらいに資産あったみたいなんで。とはいえまぁそんな事するつもり無かったっスけどねー。引き籠りたいくらいにサブカルは好きだったけど、低能なりに頑張る気概はあったんですよ。あの事が起きるまでは」
えぇ、不幸は転生前から。
おそらく、転生先の世界の神が根回ししていたんでしょうね。
だからこそ一斗さんの出会った悲劇はとてつもないものだったのです。
それこそ開き直らないとやっていけないレベルに。
まさしく神がかった不幸と言えるでしょう。
「おまけにその後に用意された世界も条件も笑えませんからね。こんな世界なんてラノベレーベルで出版して売れる訳がねーだろっていうくらいドギツいもん」
プロフィールだけの範囲でしか私も知りませんが、それだけでも相当ですね。
転生前が本番みたいな、そんな感じがします。
では、その不幸とは一体どれ程のものだったのか。
そして一斗さんを悩ませた転生後の世界とは。
それは是非とも本人より語って頂きたいと思います。
「垣間見るがいい、巻き起こった悲劇の数々と我がド低能っぷりを。半ばコメディ調で」
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