怪異短歌集
小柳とかげ
日常から外れた
もしかして私もうすぐ死ぬのかな鏡の自分が2秒遅れて
見学のプールサイドの端っこで消えない足の跡があり
アネモネの蒼き写真のインスタ畑同じ男が映り込む
サニタリーボックスが5秒ごと開く 中の血は経血だと願う
散歩中必ず犬が立ち止まりその花壇に吠え続け
新しいマンションはまだ作りかけそこから家族の暮らす音
顔があるはずのところに白い紙貼った人が歩いてくる
5階廊下ほふく前進する女 目を合わせてはいけないんです
落とされたまま晒されてるぬいぐるみ 先月は笑顔だった今日は
地下室は何もいない誰もいない音がするけど絶対に
居酒屋は今日も楽しく騒がしくそこに紛れる声「許さない」
あぜ道を右手がひとつ進もうとしている車が轢いていく
満員で誰も隣に座らない 手を握られ知らぬ駅を降りる
蜘蛛の巣が取っても取っても離れない絡まるような首の違和感
新品の掃除ロボット頑なに避けるそこでは誰も死んでない
体温の検知カメラに私だけなのに10個の体温表示
ホテルマン「12時半を過ぎましたら窓をあけずに眠ってください」
クリスマス翌日昼のケーキ屋のショーケースには生首か
放課後は内緒の神社でかくれんぼそして君は帰ってこない
台風の計画休校見に行けば2年2組に黒の群衆
ビデオにはもう誰もいなくてさ僕は二度と後ろを向けない
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