エピローグ

「はぁ……」


話し合いを終えた後、黒川証券から出た私は疲労からか、一人ため息をついた。


もう、私の中で答えは出た。


きっとこれからもずっと楽しく生きていける。


私にとっての心地の良い居場所。


私が居るべき場所。心の底からいたいと思える場所。


色々と抱えていた悩みも消え頭がスッキリとした状態で歩いていると後方から誰かが走ってくる足音が聞こえてくる。


私を追ってくる人。もうそれが誰かは分かっている。


段々と距離が近づいていき、足音の正体が明らかになる。


――セミロングの女の子だった。


やっぱりいつ見ても可愛い。


女の子は私に追いつくと私と歩幅を合わせて歩き出す。


「……!」


隣にこの人がいるとやっぱり安心する。オーラもそうだけど、そこにいる人を包み込むような温かさ。


「ねぇ」


隣を歩く女の子が歩きながらそっと口を開く。


もう足は止まらない。


「……なんですか」

「今の人生、楽しい?」

「……つまらない、わけないです!」


思ったことをただただそう口にする。


「……ふふふ、ありがと」


私たちは歩幅を合わせて歩き続ける。

もう歩みは止まらない。





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