2023 08 04 CNさんの戦争
八月がやって来ました。八月と云うと終戦があります。いつまで終戦か……などと云ってしまうと、左の方々が怒ってきます。戦争はいけませんし、どん底の暗い話になります。たまには、そこまでの暗い話ではない話を綴っています。
CNさんの戦争から(その1)
CNさんは、私の父親の中学(旧制)同級生でした。30年前の頃、テレビでおねェキャラがもて流行された始めた頃でした。テレビの見ていると、カルーセル真木が出ていたので、私は、CNさんに「昔もこんなのも居たのですか」と訊いたところ、CNさん曰く「居た居た。いわゆるオカマやな。あだ名も奥さんやったな」
その時、私の父が帰って来て、CNさんが「あの奥さんは本名なんやったかのう?」と訊いたところ、父親も忘れてました。
CNさんも父も、奥さんは優しいし、女らしいし、仕草も可愛いし、顔も綺麗や、男じゃなく女だったら美人だったな、という事でした。
それから始まります。
CNさん曰く「終戦前に奥さんに赤紙が来てな、奥さんにまで召集令状とは。これは敗戦かもなと思った」
奥さんの出征を今治駅で送ったそうです。出征したのは奥さんの他3人でした。
CNさん曰く「一人は足を引きずった40歳前後の男、一人は牛乳瓶の底ぐらいのメガネをかけたの弱視の男、45才位の禿げ男、そして奥さん。可哀想なのは禿げ男。嫁と子供6人。嫁の背中には赤ちゃんもいるんや。爺さんと婆さんも一緒や。聞きかじっていたら、長男と次男も出征しているらしいやないか」
これから出征兵士のセレモニーがあるんですが、一人ひとりが言葉あるのですが、奥さんは敬礼はしても涙でハンカチを拭ってました。言葉もありましたが小さな言葉で意味は分かりませんでしたと云う事でした。
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