突然夜空からやってきた、『流れ星の宇宙人』・エトワール。
彼女は、主人公・拓人の周囲にいる人々の願いを、また拓人自身の願いを叶えるためにやってきた。
悲しみの心が癒えずにいる家族。心が通じ合えずにいる姉弟。そして、もういないはずの少女――
全員の願いが、エトワールを中心にかけがえのない大きな思い出として形を持ち始める。その先にあるのは、どこまでも優しく、懐かしく温かな思い。
たくさんの思い、表情、言葉が幸せの形を作っていきます。
読む人も幸せにしてくれる、ハートフルな青春ファンタジー。
ぜひ、この作品で幸せな時間をお過ごしください♡
今日でちょうど8月が終わります。
夏の夜の思い出にぴったりな物語でした。
素敵な星空を見上げて、大切な友達を、いなくなった大切な人を思い出す瞬間が誰しもあるのだと思います。
人は独りで生まれ、独りでこの世を去ります。
ずっと一緒だと思っていてもいつかは離れてしまう手。
でも、最後の瞬間まで一緒にいられたことは彼らにとって誇りであり、最高の思い出ではないでしょうか。
星の人、エトワールは願いを結ぶためにやってきました、奇跡を叶えるためにやってきました。
少し感傷的な気持ちになりながら読み終えたとき、窓辺で星空を眺めてみてください。
流れ星がそっと流れるかもしれません。
登場人物の気持ちがとても大切にされていて、好感を覚えました。
心情描写がとても繊細で、決して登場人物を突き離したりせず、むしろ作者様の温かい眼差しが常に感じられます。
主人公たちが成長していく過程は、けっして明るいばかりでなく、時に胸が苦しくなるような、切ない気持ちにさせられる場面もあります。
ですが、その切なさを越えるたくさんの愛と温もりが、物語の根底にしっかりと流れています。
主人公たちの心情が複雑に絡み合う中で、たしかに感じる「感謝」の気持ち。
この「感謝」の気持ちこそが、きっとこの物語の根幹を支える大きなテーマなのでしょうね。
また、夏の風物詩が多く盛り込まれているので、今の時期に読むのにぴったりな作品とも言えそうです。
作者様の優しいお心づかいに触れられる良作です。
皆様もこの機会にお手に取ってみてはいかがでしょうか。