モザイク

騙されてるみたい パターンで構成された夏のプレイリスト

騙されてるみたい　パターンで構成された夏のプレイリスト

瞳孔がえぐれて開花する　60fpsのタイムラプス

（あ、ふとした視線が絡む瞬間何もかも一変するパターン）

何を失ったか思い出せない　景色のすべてがモザイクがかる

四六時中も切り裂くものを探しているわたしの恋心

複雑なほど鮮明な視界で、再現性のない奇跡などに

ブルーライトが映した　死体安置所で抱きしめ合う恋人たち

悪いとこ全部なおすから　わたしの皮膚組織にまみれたiPhone《アイフォン》

君が飲ませ続けてくれる経口補水液が襟を湿らせる

歌の下手な男の子が好きだ　祈りを知らない男の子が好きだ

きみの耳をふさいでるわたしが考えていること　それだけのこと

冷えたミルクが体温を奪うと　声を殺して泣いてみせる君

液晶の真ん中が渦を巻いてる（正気を失うイメージで）

話はそこで終わりじゃない、憶えてる？　その後ふたりで隠したの

何処かに行きたい限りは何処にも行けないんだよ　ルールはそれだけ

雨に濡れる肩の反対側で、君がみている世界の解像度（ピクセル）

子どもの頃に誤飲したクリスタルがまだ喉元にあるの　さわって

光はどこまでも届いた気がする　静謐なシステム・ルームより

一次元の接吻（キス）を受けて限りなく透明に近い火花が散る

クリスタル・ガイザー　乱反射して私は君を殺すモザイク