第4話 入学式で一番目立ってみればいい
4月1日 朝
今日からシフォン学園での生活が始まる…。
天界から人間界へ転生してきたものの、指示された内容は【学園生活を送り卒業せよ】と言う天使としてはぬる過ぎるミッション。
私の能力が低すぎる事が逆に適任(と言う噂)だってのがもう失礼極まりない笑
てっきり一人で過ごす事になると思ったのだけど、親友のゆきも乱入、少しは楽しくなりそうだね。
ゆき「制服黒鵜先輩が用意してくれたけど、ここの制服ってめちゃ地味だね」
美奈「これが地味とかどんなセンスだ!!」
実は昨日の街中探索中に制服を受け取りに行った。
シフォン学園は学生が制服の種類を選ぶ事ができるみたいで、私は黒鵜さんが用意してくれてたいかにもって感じの紺色を基調とした制服。
ゆきも同じのだったんだけど、その場でデザインが気に入らないとゴリ押しで変更。
ラメ入りのネクタイ、色は黄色と青を基調にしたパーティーにでも行くんですかデザインの制服となった。
美奈「まあ学園のカタログ内から選んだから問題は無いんだけどね…、流石に目立ちすぎかも」
ゆき「美奈、あなた学園生活を地味な日常で終わらせる気!?これでも物足りない位なんだから!」
美奈「何か上級生とかに目付けられそう…」
ゆき「かーーー!もう一般的人間界に染まっちゃってるじゃん!そんな事じゃ学園生活をエンジョイできんよ!」
美奈「一般的人間界って何だ…そのパワーワード…」
最初はガッツガッツ行こうって思うんだけどね、いざ目立ったろ!ってなると引いちゃうんだよなこれが笑
ちょっとずるいかも知れないけど、ゆきにその辺リードしてもらって私はタイミング見てアピールしようかな。
ゆき「ほう…」
美奈「な、何?」
ゆき「ま、後ろからゆきの活躍指を加えて見てるが良いですわ!!お手本をお見せして差し上げますからあ!!」
美奈「朝から人の心読むの止めい!」
ゆきは能力を使って相手の心を読むことが出来るんだよね、一応私も能力で読まれるのを阻止できるんだけど面倒でだだ洩れの事が多いんだ。
♪~
ゆき「誰か来たよ」
美奈「あー黒鵜さんかも、朝迎えに来るって連絡あった」
ガチャ
黒鵜「おはよう二人共、登校の準備は出来たか?」
ゆき「黒鵜先輩おはようございます。準備出来てます」
美奈「えっ!いつの間に。急ぐから待ってて!」
『結局美奈は初日から遅刻した…』
『ゆきと黒鵜と学校からの評価が4下がった、学力が2下がった』
美奈「こらー!ゆき!変な文章表示すんなあ!」
ゆき「この方が学園生活っぽいじゃん?笑」
ギャーギャー ギャーギャー
黒鵜「おーい二人共…ほんとに遅刻するから早くしてくれえ」
黒鵜「同じクラスにしたのやばかったかな…」
学園 体育館
入学式はただ座っているだけですぐ終わった。後は先に確認した自分のクラスに行って軽い説明が続くホームルーム。
ゆきは一人だけパーティー制服だったお陰か、早速先生からいじられてお笑い芸人としての人生を歩み始めた。
ゆき「それも良いかもねえ」
美奈「そこは突っ込む所だぞ…。案の定ゆきだけじゃんそのやばめのセンス」
ホームルームが終わって教室でゆきと話していると、クラスメイトから話しかけられた。
???「ねえねえ~借名さんって中等部はどこの学園通ってたの?」
ゆき「あーね、別の地域から来たんだ私と美奈って」
???「そうなんだ!やっぱりここより都会?柄物の制服選ぶって勇気ある~」
美奈「都会ってか天界とか異世界?このセンスは」
???「あははっ!!!二人共面白い~!!」
ゆき「そう言えばちゃんと自己紹介出来てなかったね。私借名ゆき、こっちは親友の本条美奈。名前で呼んで良いよ」
美奈「宜しくー!えーと」
???「わたしは日比谷実里(ひびやみのり)!実里で良いよ」
ゆき「宜しくね実里」
実里「二人共また色々聞かせてよ~!私の親友が他のクラスにいるんだけど今度紹介するね!」
そう言うと実里は教室を出ていった。
他にも私たちと話したそうなクラスメイトがいたけど、初日と言う事もあって特に会話に発展せず。
何だかんだ明日からの準備も多いから今日はゆきと帰路についた。
ゆき「ふっふっふっ…どうよこのゆきのカリスマ性は。早速人気者の片鱗、出てきたねえ!」
美奈「典型的なクラスに一人はいる先生公認のいじられキャラじゃん…この先結構大変だと絶望を与えておくよ笑」
ゆき「新しい仲間の実里と美奈とゆきでお笑いトリオを組もう!それで覇権を取るのだ!!」
美奈「実里ちゃんは天然ボケタイプかな?何かほわーとしてたよね」
ゆき「美奈…それだけ?感じた事は?」
美奈「え…!」
急にゆきが真顔になった。
まさか実里ちゃんって天使…!?能力者…!?
いや、別にそれ自体おかしな事では無い。黒鵜さんだって私達だって天使だし、問題なのは能力の乱用事案…。
ゆきが突如乱入したのも伏線…?。って事は実里ちゃんは……。
ゆき「見いだせて無いみたいだね…。あの子、突っ込みの才能もあるって事」
美奈「へ…?」
ゆき「ボケと突っ込み両方の才能があるってのは…」
そこからゆきのお笑い哲学が寝るまで続いた…。
ちなみに帰ってから黒鵜さんに確認してもらったら、実里ちゃんはバリバリ人間界の方だったと言う事で疑ってほんとにごめんだよ。
『実里の評価が3下がった!』
美奈「それ止めろーー!笑」
ゆき「お後が宜しい様で」
続く…
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