第11話 重大なる接見!科学者篠山静夫

兎に角亮一は連絡が付き易いスーランに連絡をした。

取っ掛かりが有った人とは話し易く相手も拒絶反応が無いこちらの気持ちを理解してくれやすいからだ。

「もしもし、高中さんですか?」

ナオミは宗像亮一と会う事を承諾。

 喫茶フギにて、12時半に待ち合わせていた。

「あの宗像さん?」不意に声を掛けてきた人がナオミではなく老人だったから驚いた。

 一番驚いたのは声を掛けた老人だった。

調子の良い、50歳とは見えない軽い感じの食パンみたいなオトコと聴かされていたのに

、少々感じが違うし、オマケに小指が無い。ひ弱な極道?

 走馬灯のように食パン・小指・軟弱極道・・・。と、篠山の脳内にグルグルと、回っていた。

怪訝そうな顔を向ける男は、時計と老人を見比べていた。

「宗像ですが、どちら様でしょうか?」既に4人掛けテーブルで寛ぎコーヒーとアイスモナカを頬張っていて、今から感染症撲滅のナーバスなミーティングをしようとする男の出で立ちとは思えず、ミリタリールックにモデルガンの連射タイプのワルサーを腰に差していたから、卒業論文が間に合わず一年いや、2、3年は留年しているだろう・・・。と、踏んでいた。

 亮一の眼前で突っ立っている老人に顔を上げて声を掛けた。

とても間抜け面だと、篠山は感じていた。

「私はね、上善痔博士にお聞きして参った篠山です。今年で、95歳になるんですが、外語大学の教授をしております。元は科学者ですがね・・・。」

 ニコニコとしていて静かだったが、意中の人では無く単刀直入に聞いて見た。

「上善寺さんは来られないんですかね?」会って話しがしたかった。

「宗像亮一の名前を聞いた時、全身が震えたわ!私の心を半分持って行ったオトコ・・・。

 人生の中で私がしくじった汚点!彼の協力をしたくない!どうせ半分ふざけてると思うわ。」

 篠山静夫は、身振り手振りで、ナオミの言った独り言を再現していた。

アルツハイマー星の

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