淡くきらめく/はる まきこ

はる まきこ

淡くきらめく

さっきから肩が当たってるんだけど 意識してるの私だけなの?


窓際で微睡む5限 射す光 白く輝く君褪せないで


2時までに君が連絡くれないと寝ちゃうんだから、本気だからね


君が好きなものを好きになりたいの 本も映画も観ないんですか


汗ばんだ手とか火照ったほっぺたは 夏のせいにするには早くて


君のこと本に取られて1時間 冷たい紙より私に触れて


どこまでが嘘かわかんなくなりました 責任取ってほしい恋心


勘違いされてもいいよ君となら 地元のお祭り2人で行こう?


桜とか浴衣着て行った祭りとか 思い出してね季節来るたび


デンモクで迷って選んだカブトムシ あなたに向けて歌っています


絡まった指先の熱を感じてる ひとつになれない違う体温


スカートと髪が夜風に靡いてて 映画みたいに触れたくちびる


母親に嘘のLINEを入れなくちゃ 日帰りだったら事足りるのに


なにもかも知らないふりをしていたの あなたに教えてほしかったから


この部屋でそうめん全部茹でたこと わさび味のキスをしたこと


ペンギンに嫉妬する日が来るなんて 今日何回可愛いって言った?


会いたいと思ったらすぐ会いたいと言えるのが幸せの定義 たぶん


「君のこと大事にしてたつもり」とか 言葉足らずで不安だったよ


音楽の趣味がピタリと合うだけじゃやってけないとわかった二十歳


風鈴の音で思い出す人がいる 風を待てずに揺らして鳴らす

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