第6話 ヴィトーと文太の戦い
夜の暗闇の中、ギラギラとした目が光る。ヴィトーの目は復讐と怒りで血走っていた。
怒りがどうしても、膨れ上がる。この怒りをぶつけさせてくれるのは、あいつ以外、思い当たらない。そう思っていたら、
「おい!ヴィトー、ここは、テメーの縄張りじゃねえ、失せろ。」
三下が近づいてきたので、横っ面を張り倒した。
「おい。
「ボスに何の」
言葉を言いきる前に、もう一回張り倒した。
「おい、
「ボスに」
押し倒し、首を抑えつけた。
「おい、そこで、ボケっと見てるの、ああ、お前だよ。
「んぐぅぅぅぅぅぅぅ、ゲホ、ゲホ」
「やめろ!」
寺の軒下から、まだら模様の大きな猫が姿を現した。
俺は、
「おい、ヴィトー。ずいぶんと、大きな態度で現れたな。この野郎が!」
「
「・・・カルメラか。」
「ああ」
「そうか・・・かかってこいや!ガキが!」
「しゃああああああああああ!」
「しゃああああああああああ!」
暗闇の中、ヴィトーと
お互いが組み合い、転げまわる。
ヴィトー、
離れると、二匹は間合いを測る。
ヴィトーが飛び掛かると、
地面に落ちても、二匹は離れず、お互いを噛みついていた。
そして、また離れ、間合いを取った。
そんな事が、何度も何度も繰り広げられ、お互い、血だらけになりながらも、一歩も引かなかった。
何十度目の攻防の末、
「ヴィトー!気が済んだか。」
「・・・ああ。スマンかったな。」
ようやく俺の怒りは鎮火した様だ。
「ヴィトー・・・何があったか、聞いてもいいか?」
「ああ。」
今日、キンジが調べた事を
「ふざけんじゃねぇ!」
「なんでそんな事すんだよ!」
「人間が!」
周りの猫達から、怒りの声が上がっていた。
「お前ら!黙れぇぇぇぇぇ!」
「ヴィトー!俺らも協力する。お前ら、そのクソを探し出すぞ!」
「
「カルメラの敵討ちだ。その人間は、必ず殺す!」
「ああ」
夜明けと共に、
俺は
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