第5話 制服フェチ

 ギャラリー「くらげ」で、個展を催している如月だったが、期間としては、二週間程度だった。ほとんどの人は二週間くらいを予定しているようだ。

 スペースを借りる値段としては、学生としては高いのかも知れないが、普通にアルバイトをしても十分に借りられる。ちょっとした旅行にいくことを思えば、全然安いと思っていい、

 旅行に行けば、友達ができたり、思い出ができるかも知れないが、自分の個展というのは、特別なものだ。自分の世界を公表できる場所であり、何と言っても自己満足に浸れる。普通なら、

「自己満足という言葉は何か、後ろめたさがあるんだけど、でも別に悪いことではないよな」

 と思っているが、まさにその通りで、

「自分で満足できないものを人に勧めるというのもおかしな話」

 ということで、如月も、俊介も、二人とも、自己満足という言葉が嫌いではなかった。

 今回の個展はそういう意味で、

「誰に憚ることなく、自己満足に浸ることができる時間」

 という意味でも、お金に変えられないと思っている。

 それに、同じように芸術を志す人と友達になれるかも知れない。実際に、今のところ絵を描いているという人に友達はおらず、自分から募集してもいいのだが、それよりも、自然に知り合える機会があったようないいような気がしていた。

「あわやくば、プロや評論家の目に適ったりして名」

 と冗談でそういったが、ぞの可能性だってまったくないわけではない。

 とにかくやってみないと分からないのだ。それは、芸術であれ、スポーツであれ、同じことではないだろうか。

 ただ、さすがに今のところ、プロになりたいとは思わない。いずれは分からないが、今は自由に自分を表現したいのだ。

「如月さんの作品には、なかなか趣のようなものがありますね」

 とマスターは言ったが、

「趣?」

 と聞き返したが、それ以上の答えは得られなかった、

「絵を描くというのは、自分を見つめなおす時」

 などという人が講師の絵画教室のテレビがあったが、少し見てみたが、

「こりゃあ、当たり前のことを当たり前に話しているだけだ」

 と思い、それ以降見なくなった。

 当たり前のことをいうのは別に構わないのだが、皆同じ手法になってしまっては面白くない。もっといえば、同じ手法で絵の勉強をしても、皆それぞれに性格があるのだから、その人の描き方と合わなければ、上達もしないだろう。

 そこで、

「俺は絵に向いていない」

 と思い、絵を描くのを諦めてしまえばそこで終わりである。

「他の先生を探してみるか、それとも我流で描くようにするか」

 のどちらかなのだろうが、如月の場合は、どうやら後者だったようだ。

「しょせん、人の言うことを聞いて、その通りにしたって、サルマネにしかならないんだ」

 ということであった。

 モノマネならまだいいのだが、サルマネともなると、ただ、模写しているだけだ。モノマネのように、特徴を掴んで、そこをいかにすれば目立つようにできるかということを大げさなくらいな表現にするには、自分のオリジナルを入れるに限るのだ。

 そのオリジナルができないのであれば、その人には素質がないのかも知れないと思い、その道を諦めるのも一つであろう。

 そう思うと、モノマネというのも、模倣という表現を使えば、別に悪いことではないような気がした。

 如月の絵は、完全にオリジナル、一度は本を読んだりはしたが、それはあくまでも入門編であり、それ以上でもそれ以下でもない。絵の才能があるのかないのかも分からないが、それだけに、個展を開くのは勇気が行った。

 だが、あくまでも、素人の個展という認識があるので、気は楽である。結構自分の個展中には、お客さんが多かったので、それだけはよかった気がした。

 そんな中で一人の女の子の視線を、如月は感じていた。あまり女性の視線を意識したことのない如月だったので、ちょっと意識をしていた。二週間もあるので、個展の主催者として、毎回在郎する義務があるわけではない。展示さえしてしまえば、後はお店に任せておけばいいのだ。

 何もここは美術館というわけでもない、喫茶店がギャラリーも兼ねているだけなのだ。美術館だとしても、期間中、展示の時間のすべてを在郎する必要もない、プロであれば余計にそんな時間もないわけだし、それは素人にも同じこと、素人は、個展を開いても、開催にお金が掛かるわけで、他に仕事であったり、学校に通うということがあるわけだ、

 あくまでもサブカルチャー、生活圏はここだけではない人がほとんどのはずである、

 だが、如月は大学でどうしても受けなければいけない講義だけは大学に行くが、それ以外はすべて、ここに詰めている。何と言っても初めての個展、プロの人よりもある意味緊張しているのではないかと思うほど、いつもと違う如月を俊介は感じていた。

 そんな如月だったが、ここでは、一見、誰がここの個展の主催者なのかということを客は分からないだろう。別に主催者咳があるわけでもない、カウンターで一人コーヒーを飲んでいるだけだった。

 時々俊介も一緒に来て話をしているのだが、俊介が来るのは主催期間の半分くらいだっただろうか、

 しかし、如月に熱い視線を送っているその女性は、二週間のうちの十日くらいは来ていた。時間も二時間くらい店にいて、展示の作品を見たり、読書をしているのがほとんどだったのだが、最初はそれほど目立たなかった。

 それでも、四日目くらいだろうか。如月はその女性と目が合った時に、彼女は笑顔を見せて、軽く会釈をしたのだ。それはまるで、知り合いに遭ったかのような仕草だったが、如月には、その人に対して心当たりはなかった。

「あれ? 誰だったのだろう?」

 と感じたが、思い出せなかった。

 それが、二度三度と続くと、次第に如月は照れ臭くなってきた。

 普通照れ臭くなってくると、なるべく目を合わせるのをやめようとするはずだが、意識してしまって、つい彼女を見てしまう。さすがに一日に五回も六回も目が合ってしまうと、照れ臭さを通り越して、胸のドキドキが収まらなくなっていった。

 彼女の座る席はいつも決まっていた。

 テーブル席の一番手前のカウンターに近いところではあるが、席としては一番奥に位置しているところだった。

 如月の指定席はカウンターの一番手前で、レジの横に近いところだったので、店のロケーションとしては、ちょうど対角線に当たるところであり、ある意味、視線を合わせやすい場所だったのだ。

――これも、彼女お計算だろうか?

 と感じさせるほどで、最初は偶然だと思っていたが、ここまで毎回のこととなると、さすがに如月も意識しないわけにはいかない。

 それでも、主催者側から声をかけるのは違う気がした。別に如月はナンパを否定している派ではなかった。本当であれば、声を掛けたいと思ってもいたのだが、主催者として、特定の客と仲良くなっていいものかと戸惑っていたのだ。

 だが、そんな如月の様子に気づいた俊介は、

「あの娘、お前に気があるんじゃないか?」

 と言われたが、如月としては、

――そんなことは最初から分かっているんだよ――

 という苛立ちもあってか、俊介に対して、何も言わずに、苦笑いをするしかなかった。

 俊介はさすが如月とは旧知の仲、如月の気持ちがよく分かっているようだった。

「どうしたんだよ。気になるなら話掛けてみればいいじゃないか」

 と言ったが、それと同時に、

「あの娘、どこかで見たことがあるような気がするんだよな」

 と思っていた。

 ということで、二人は大学の同級生であったり、直接知り合いではない人にまで、想像を巡らせていたが、どうも想像に合致する人ではないような気がした。

 さすがにそこまで言われると、どうしようかと迷っていた如月の背中を押した形になり、如月としては、軽い気持ちで話しかけてみる気になったのだ。

「あの、こちらいいですか?」

 と言って、如月が彼女のテーブルの前の椅子に腰かけて、声を掛けた。

 ずっと視線を合わせていて、カウンターにいるのが分かっているはずなので、席を変えてから、

「こちらいいですか?」

 というのは、正直おかしな気分である。

「ええ、いいですよ」

 と、彼女も別に違和感なく、笑顔で迎えてくれた。

 その様子を見て、

「あっ」

 と声にならないような小さな声でビックリした俊介だったが、俊介にはその時、その娘が誰だったのか気が付いたのだ。

 この俊介の驚きが分かったのは、実際にその正体が分かった彼女だけだというのは皮肉なことであろうか。

 その女の子を最初に、

「どこかで見たような気がする」

 と思っていたのに、すぐに気付かなかったのは、普段とはまったくその姿や雰囲気が違っていたからだった。

 というよりも、彼女を見る時というのは、制服姿しか見たことがなかったからだ。

 その制服というのはセーラー服で、妹の恵子と同じ学校に通っている女の子だったのだ。

 賢明な読者であれば、それが砂土原典子であることは分かっているかも知れないが、まさしくその娘は、典子だったのだ。

 俊介はそのことを如月に話そうかと思ったが、二人の雰囲気を見ていると、明らかに自分たちの世界を形成していて、傍から見ている分には、ずっと以前から恋人同士であるかのような雰囲気を感じていた。

 この店での典子の雰囲気は、実に大人びていて、その雰囲気は今までに感じたことのないものだった。

 どちらかというと、幼さの残る雰囲気の女の子が好きな俊介は、ここまで大人びた典子を眩しいとは感じたが、すぐには女性として感じるものが出てくることはなかった。

 どちらかというと、セーラー服でポニーテールのような髪型の典子の方が好きなタイプではあったが、なぜか気にすることはなかった。それは、妹の友達という意識があるからなのか、どこかくらい雰囲気が醸し出されていることが気になるからなのか分からなかったが、とにかく、セーラー服が似合いすぎているところが気になっているのもあったのだろう。

 そういえば、如月と大学一年生の時、制服談義をしたものだった。

 最初にカミングアウトをしたのは、如月だった。

「俺って、制服フェチなんだよな」

 というのだ。

「制服フェチって、セーラー服か、ブレザーかっていう、女子高生の制服のことか?」

 と訊かれて、

「ああ、そうなんだ。ただ、それだけに限らず、ナース服や、婦警さんの服なんかもいいよな」

 と言っていた。

 ちなみに、今の時代は、男女雇用均等法というもののせいで、看護婦も婦警さんという言葉も遣わなくなったらしいが、ここでは、それを敢えて使うことにする。

 如月のセリフを聞いて、

――これはカミングアウトだな――

 と思ったが、実は制服フェチに関しては誰にも今まで話したことがなかったが、俊介にもその気があったのだ。

 制服というと、一番は女子高生の制服で、ブレザーなのかセーラーなのかというのが問題であるが、それ以外では確かにナース服には気になっていた、

 中学生の頃に体調を崩して病院に行った時、看護婦さんが点滴を打ってくれたのだが、その時にベッドに横になって見上げた看護婦さんの顔が眩しくて、さらにシルエットのように浮かぶナース服に、ドキドキした気がしていた。

 体調の悪い時に頭がボーっとしていながら、血液が逆流するかのような興奮を覚えるというのは、ある意味快感でもあったようで、なすがままになっている自分が、まったく動けず、いいなりになっていることに覚えた快感は、

「俺って、Mじゃないのかな?」

 と感じたものだ。

 その頃は、ちょうど思春期の最初の頃だったので、まだ感情をどう表現していいものか分からなかったが、分からないまでも興奮していたのは間違いのないことで、その気持ちが、身体を支配していた。

 征服フェチという言葉を聞いたのは高校生になってからであり、その時には言葉を聞いてすぐに、

――俺は征服フェチなんだ――

 と感じたものだった。

 制服を着ている女性を目で追ってしまっても、追っかけていることに最初は気付かない。下手をすると、まわりからの、

「あの人、怪しい」

 という視線に気づいて、ハッとしてしまうこともあるだろう。

 だから、自分が制服フェチであることに気づいた時、今度は初めてまわりの視線を気にし始めた。最初はまったくまわりの視線を気にしていなかった自分が、気付いてからは恥ずかしくて仕方がなかった。

「ひょっとすると、自分が気付かないだけで、まわりから、変態呼ばわりされているかも知れない」

 と感じた。

 そう、これはあくまでも、

「よばわり」

 の世界である、

 俊介としては、制服フェチを、

「変態の領域ではない」

 と思っている。

 確かに変態には見えるであろう。もし自分が逆の立場で見れば変態だと思うに違いない。それだけに、自分の制服フェチが、いかにも変態だと思っている自分の感覚にかぶってしまっていることが恥ずかしい反面、

「制服フェチに間違いない」

 という感覚は、悪いものではないと思っていた。

 というのも、

「恥ずかしさも快感に変わる」

 ということが分かったからで、これも思春期の感覚がそう誘ってくれたのではないかと感じたからだ。

 ただ、恥ずかしさが快感に変わるというのは、これこそが変態であり、自覚する分にはいいのだが、他の人にここまで想像させてしまうのはダメだと思うのだった。

 恥ずかしがっている自分を見せるのはいいのだが、快感を味わっているのを感じさせては負けだという考えであった。

 このあたりは、誰にも言わずに一人で悶々としたものだが、そのうちにバレルことになった。しかもそれを看破したのが、如月だったのだ。

「お前は俺に似たところがあるんだな・俺もいつも一人で考えていたんだが、お前が俺と似たところがあるのなら、俺は嬉しいんだがな」

 というではないか。

 さすがに恥ずかしくて、すぐには返事ができなかったが、最初に、

「自分は制服フェチだ」

 と言ってカミングアウトをした如月だけに、何も言えなかったのだが、そのうちに、

――仲間だって言ってくれているのであれば、俺も恥ずかしがることはない――

 と感じるようになって、心の中に溜まっていたうっぷんを晴らすことにしたのだった。

 これは二人ともに同じ感覚だったようで、話し始めてみると、これがまた同じ感性を持っていたようだ。

「如月君が、ここまで僕と同じような考えでいるとは思わなかったよ」

 というと。

「そんなことはないさ。似ているように見えて、微妙なところで違っている。そもそも、人間皆同じということはないので、微妙に違うものさ。逆にまったく同じだったら、それはそれで怖いとも言えるけどね」

 と、如月はいうではないか。

「確かに如月君の言う通りだね。でも、最初に君がカミングアウトをした時、僕も同感だったんだけど、さすがに言えなかったんだ」

 と言って、少し申し訳なさそうにすると、

「いや、いいんだよ。もしあの時に君までカミングアウトすると、二人の関係が怪しいとまわりから見られて、変に警戒されたりで、君だけではなく、俺迄計画が狂ったかのように思われるのを避けてくれたんだよね? そうその通り、俺は最初にカミングアウトすることで、それ以上でもそれ以下でもないことをまわりに定着させようと思ったのさ。思春期の連中は、大なり小なり、皆、何かのフェチを持っているものさ。だから、俺は、君にそのことを言いたかったんだけど、君がそれを察知してくれたのかどうか、今は感じてくれている。それが嬉しいんだ。これで、お互いに、フェチであることを隠すことなく、オープンに話ができるというものだ」

 と、如月は言った。

「君はセーラー派なのか、ブレザー派なのか、どっちなんだい?」

 と聞かれた如月は、

「僕はブレザー派かな? 大人しい雰囲気を感じさせるし、僕は、紺ハイが好きなんだ」

 という。

「僕も紺ハイは好きなんだ。でも、それがセーラーであったら、もっといいと思っているよ」

 と俊介がいうと、

「だったら、スカートはミニだね。だけど、あまりミニにしすぎると、コスプレっぽくなって、それも嫌なんだ」

 と如月は言った。

「うんうん、僕もそうなんだ。あまりにもコスプレになってしまう制服はどうも気に入らないんだ。コスプレはあくまでもフェチとは違う世界のものなので、別の扱いにしたいな」

「確かにそれは言える。コスプレって、どちらかというと、それぞれに好きな格好をして、それを見せたがる人たちがいて、それを見るのが楽しみな、まるでアイドル活動に近いような気がするよね。だけど、フェチは一人で楽しむものなので、どちらかというと気持悪がられる。だから、コスプレイヤーからは、フェチとは違うと思われていて、フェチは、コスプレイヤーとは違うとそれぞれで思っているんだよね」

 と如月がいうので、

「じゃあ、その中間のような人っていないんだろうか?」

 という俊介の疑問だったが、

「いるかも知れないな。だけどそれって、まるでコウモリの話を想像させるのは、俺だけだろうか?」

 といきなり如月は不思議なことを言った。

「コウモリの話って、あの夜行性のコウモリのことかい?」

「うん、そうだよ。別に傘のことじゃないさ。これは確かイソップ寓話の中の一つのお話だったと思うんだけど、『卑怯なコウモリ』という話があるんだ。聞いたことがあるかい?」

 と言われて、

「いいや、初めて聞く言葉だね」

 というと、如月が得意げに話し始めた。

「昔々、鳥の一族と獣の一族が、どっちが強いかということで戦争をしていたらしいんだ。それを見ていたずるがしこい一羽のコウモリは、獣の方が有利になると、獣たちの前で、自分は全身に毛が生えているから、獣の仲間だと言ったんだよね。だけど、今度は鳥が有利になってくると、自分は羽があるので、鳥の仲間だと言って、それぞれに都合のいいことを言って立ち回っていたんだ。だけど、その後、鳥と獣が和解して戦争が終わると、何度も寝返りを繰り返して、それぞれにいい顔をしたコウモリは、鳥からも獣からも嫌われて、仲間外れにされたんだ。だから、まわりから、お前のような卑怯者は表に出てくるなと言われたことで、コウモリは、夜行性で、洞窟などの暗いところに身を潜めて暮らさなければいけなくなったという話さ」

 というではないか。

 なるほどとは思ったが、この話が制服フェチとどう関係があるのかは定かではない。ただ、もし、セーラーとブレザーの中間を好きな人がいるとすれば、このコウモリのように、密かに自分の性癖を知られないように、絶えずどちらかに歩み寄るような態度を取っているのではないかということであろう。

 ただ、この場合に卑怯なコウモリを出してくるというのは、それだけ、発想が捻くれているということかも知れない。

 そもそも、フェチというものは、その好きなものに種類があれば、そのどれか一つを推すというものなのであろうか? 全体的に好きだという発想では、フェチとは言えないのだろうか? そのあたりは、ハッキリとは分からない。だが、どれか一つを好きであっても、すべてに対して愛情を注ぐだけの気持ちがあったあとしても、まわりからは、フェチとして、気持ち悪がられるという宿命のようなものを持っているのかも知れない。

「そんなフェチと、卑怯なコウモリの話を一緒に考えるというのは、何か意味のあることなのかも知れない」

 と、俊介は思ったが、気持ち悪いという意味ではどちらも共通点がある、

 声フェチでもある俊介は、制服フェチとまったく関係のないものだと思っていたが、本当にそうなのかと最近考えるようになっていた。

 同じフェチにでも共通点もあれば、まったく違っているところもある。人によっての違いなのか、性癖は似ている人間にはそれなりの共通点があるのか、もしそうであるとすれば、

「類は友を呼ぶ」

 というではないか。

 さらに減血について考えることとして、

「何か二つのものを対象に見ているような気が知る」

 と感じていた。

 例えば、制服フェチであれば、セーラーとブレザー、声フェチであれば、高音と低音。もっとも他にもパターンはあるのだろうが、フェチとして話が合うのは、そのどちらかを自分で分かっているからではないかと思うのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る