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第1話◆山田奈津子、32歳独身

　山田奈津子、32歳独身、実家暮らし。

　都内で事務職の仕事をしていて、少ない給料だけど実家暮らしだし、飲みに行ったり派手に遊んだりもしないので、もうすぐ貯金は300万に到達する。貯金があるのはいいのだけれど、そろそろ結婚したい。でも彼氏はいないし、今までいたことがない。

　職場の私の部署の人数は20人程。男女比率半々くらいで、同期の事務職の子は結婚して家庭がある。若い独身の男性・女性もいて定期的に飲み会は開催されているようだ。なぜか私だけ飲みに誘われることもない。きっと、真面目で話にくいと思われているに違いない。

　そして容姿は美人ではないのはわかっている。仕事も真面目にこなしているし、文句も言わずに淡々と働いている。実際、真面目で優しそうとは良く言われるし、褒められていると思っている。

　ここ最近で周りの友人は結婚していくので、休日に会う友達も減ってしまった。友達にあってもと友達ののろけ話を「いいな～」「いい彼氏・旦那さんだね。羨ましいよ～。」といって聞くだけである。私も早く結婚したい。結婚して周りを驚かせたいし、友達にのろけ話をしてみたい。

そんなことばかり考えて毎日過ごしていた。