知らないうちにクラスの女子達から振られたことになり、嘘の噂が広がって誰も信じてくれない人間不信になったからもう遅い。

第15話

　「本当にごめんなさい」

　俺の全神経が震えた。

　何が起きているんだ？？意味がわからない。

　謝罪、何それ？俺限定の特技じゃないの？？

　「何を謝ってるいるんだ？」

　まぁ、分かるけど。昨日初めて会って、そのままその時怒られたから。

　「私、あれ嘘だって知らなくて」

「・・・」

　なるほど、冤罪の予想は外れたか。こうやって来るつもりか。俺が油断して、喜ぶ所を楽しみたいと。成る程ね。

　「まぁどっちでも良いよ。信じようが信じなかろうが」

「えっ？？」

「みんなして、俺を嵌めようとして楽しんでるのは分かるけど」

「いや違います。私は本気で」

「別に。君が俺を信じてなんになるの？」

「そ、それは少しでもあなた気持ちを楽に」

「いらねぇよそんな、偽物の優しさ！！これ以上俺を笑い物にネタにしないでくれ」

木姫は思った。

　確かに花ちゃんとは仲が良いけど、この先輩とは昨日今日の関係だから仲良くする必要はない。

　「そうですね。ごめんなさい」

「わかればいいんだよ。」

　そして、木姫は去った。

　この光景を見ていた花は、木姫を追いかけた。

　「どいうこと！！木姫ちゃん」

「花ちゃん・・・花ちゃんの話を聞いても分かったけど、あの先輩は今相当追い詰められているよ」

「そうだよ！！だから」

「だから、私も思った。今はそっとしてあげないと」

「・・・っ！」

「今は誰も信用してない。だから私が昨日の今日で話しても傷つけるだけ。」

「・・・っ」

「ごめん、花ちゃん」

　そして木姫は花を置いて去った。